キム・ソミが抱えた「諸悪の根源」の悲劇
韓国ドラマ「夜になりました」の登場人物であるキム・ソミです。
ソミを演じているのはチョン・ソリ。
16年の音楽番組で「国楽少女」として注目を集めたという、意外な経歴の持ち主。
今作ではルックスは良いものの、強烈な悪役だったのでギャップも大きい。
※ネタバレ表現あり
教室の秩序を壊した「諸悪の根源」としての顔
ソミはゲーム開始前からユンソをいじめるなど、性格の悪いところが見れたキャラクターです。
ゲーム時には意外にも暴力的なシーンはなかったのですが、それでもパク・セウンに対するいじめの主犯格。
つまり、デスゲームが始まった理由に深くかかわっているキャラクターですね。
※直接の引き金を引いたのはギョンジュンやダボムのディープウェイク動画
友達であるはずのナヒに対しても主従関係を感じさせる面がありました。
デスゲーム中は自分の保身のために他人に強く当たり、非常に傲慢な態度を見せた悪女。
利己主義のキャラクターですね。
人狼という立場と「仲間」への情
同情できるキャラクターではないのですが、それでも最も悪人として描かれたギョンジュンよりはマシなソミです。
ギョンジュンは自分のために他人を犠牲にし、なんなら自分で殺人まで犯しています。
その点、ソミは誰を殺さないと自分が殺される立場の人狼です。
ギョンジュンと違って仲間を殺すことはしていないし、ウラムが疑われたときには必死にかばいました。
(もちろん、ウラムが死んだら自分が不利になるという理由もあるでしょうが)
初日に人狼仲間であるジュウォンが処刑される様子を見れば、生き残るために仕方のない面はあったでしょう。
人狼ソミが捨てきれなかった「情」
ソミはジスを殺したのですが、その際に涙したことを思えば最低限の情はあったと思われる。
人狼としてクラスメイトを殺したウラムとダボムは、躊躇なく殺したわけですからね。(ウラムは描写がなかっただけかもしれないけど)
ソミの言動は追い詰められた人間の必死さが滲み出ているようでした。
いじめっ子の過去さえなければ、デスゲーム中の言動はさほど酷いものではないですからね。
デスゲームのパニックになれば、あの程度は無理もないのかも。
墓穴を掘った悲劇の末路
ソミはルックスの良さとデスゲームを盛り上げる悪役として、それなりに人気もあったでしょう。
とはいえ、クラスメイトを扇動する理由は、自分が嫌いな相手や、自分を疑ったり、自分にとって都合の悪い相手。
決して狡猾なキャラクターというわけではありませんでした。
結果、自分にとって都合の悪い存在だったナヒを追い込もうとした結果、ナヒが警察だったので逆に自分が追い込まれてしまった。
これは詰めが甘いと言わざるを得ない言動でした。
セウンの名前が出てきて焦りや恐怖もあったのでしょうが、それ故の失策でした。
最後に仲間を売ろうとした悪役の矜持
最後には執着していたジュニや、いじめていたユンソにまで命乞いをする、惨めな姿を見せたソミ。
さらにはダボムを売ろうとした結果、ルール違反で血を吐くなど、かなり苦しんで死にました。
(最後の最後で仲間を売ろうとしたのは悪役らしいところ)
「人狼になりたくなかった」「生きるために仕方なかった」という自己合理化の言い訳も、いじめっ子設定がなければ理解できる部分もあったのですが・・・。
ユンソはともかく、ジュニは自分が人狼だったら殺しをしそうな気もするし。
アトリエの独り言
ソミは副学級委員長という立場であり、特殊な女子生徒ばかりクラスのリーダーでもあります。
ナヒ、ミナ、ジスら他の女子生徒もソミに対して意見をしていたし、その点は絶対的な独裁者のようだったギョンジュンとは違うところ。
根っからの悪人というのとは少し違う雰囲気もあったキャラクターです。
デスゲーム中クラスをまとめようとすると、死体を観察する探偵もいれば、冷静に状況分析できるメンタルの強い人物もいて・・・。
そのような人物が人狼である自分に都合が悪いので、暴走に拍車がかかった面はあるでしょう。
強烈な悪女が残した爪痕と喪失
ソミは人狼ではなく市民としてデスゲームに参加していれば、違う顔を見せたかもしれないと思わせるキャラクターですね。
どちらにしても暴走はしそうだけど、孤立することもなく違った最期を迎えていたかも。
個人的にはソミの死亡がドラマのピークだった気がします。
ギョンジュン、ソミと悪役が続けて死亡したことで、魅力的なキャラクターがいなくなったのが残念なところでした。
また、ギョンジュンとソミがいなくなったことで、他の生徒まで暴走が始まり、仲間割れが起きた点も2人の重要度を物語っていると思いました。