希望福祉院のモデルとなった兄弟福祉院事件の戦慄
韓国ドラマ「ブラインド」で、すべての元凶として描かれた違法施設「希望福祉院」。
子供たちを監禁し、強制労働や虐待を繰り返すその姿に目を背けたくなった視聴者も多いはずです。
しかし、本当に恐ろしいのは、この施設には「兄弟福祉院事件」という実在のモデルが存在していること。
そして、ドラマで描かれた描写のほとんどが実際に起きていた事実だという点です。
国家が加担した巨大な監獄の正体
「ブラインド」でドラマ以上に戦慄を覚えるのが、希望福祉院の設定がフィクションではないこと。
モデルとなった「兄弟福祉院」は、釜山市から委託を受けた国家認定施設です。
※1986年のアジア大会や1988年のソウル五輪を控え、国家が「浮浪者の一掃(社会浄化事業)」を強行した
国家認定の施設ですから、命がけで脱走しても警察に捕まって再び地獄へ戻されるというのも脚色ではないのです。
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しかもこのような事件が起きていたのが、1975年から1987年という、そう遠くない時代の話というのも驚きです。
日本でいうと戦時中や戦後どころか、昭和後期ですからね。
現在の40代、50代の人が子供時代を過ごしていた時代の出来事です。
「韓国版アウシュビッツ」と呼ばれる兄弟福祉院ですが、アウシュビッツは1940年代。
ちなみに日本では「岡田更生館事件」という似た事件が起きています。
岡田更生館事件は40年から50年代の出来事になりますね。
ドラマを凌駕する犠牲者の数と隠蔽の闇
ドラマでも凄惨な描かれ方がしていましたが、現実はもっと酷いのが恐ろしいところ。
犠牲者はドラマの比ではありません。
当初の発表では死者が513人とされていましたが、2022年の再調査で657人に修正。
※韓国の真実・和解のための過去史整理委員会(真実和解委員会)による第2次真実究明
実際にはもっと多くの犠牲者がいるとみられ、正確な死者数は不明になります。
収容されていたのは子供だけでなく、ホームレスや障がい者など4000人以上になります。(日本人も2人含まれていた)
他にも政治犯の弾圧にも使われ、強制労働がされていた記録が残っています。
ドラマを凌駕する拉致と遺体売却の連鎖
ドラマのように亡くなった人が埋葬されるだけでなく、解剖用に売買されていたというのも本当の話。
迷子の子供を拉致するのも本当だし、現実では助けに来た父親までも捕まり、親子で強制労働させられたというエピソードも残っています。
暴力的な支配と失われた人権の重み
当然ですが「暴力による管理」も現実の話になります。
施設で働くスタッフはあえて前科者が雇われ、入所者に対しては日常的な暴力が行われていました。(性暴行があったのも現実の話)
まともな食事が与えられないことも、まさにドラマ「ブラインド」で描かれていた通り。
他にも脱走対策に警備犬に監視させたり、罠を仕掛けていたのも本当の話です。
さらに問題なのは、現在でも人知れずこのような事件が起きていることです。
2014年に発覚し、韓国ドラマ「復讐代行人」でモチーフにされた「新安塩田奴隷労働事件」などがそれにあたります。
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このような話を聞くと遠い昔の話という印象になりますが、現役世代が体験している時代の話ですからね。
現代の日本でこのような大規模な人権蹂躙施設があるとは思わないけど、小規模なら存在してもおかしくはありません。
それこそ外国人を不法に働かせるようなことはあるのでしょうし・・・。
ドラマの中の出来事として片付けられないのが辛いところ。
何にしても、韓国ドラマ「ブラインド」の希望福祉院で起きたエピソードがほとんど実話というのは恐ろしい話です。
ドラマの中では成長した子供が怪物になってしまったわけですが、現実の被害者の傷も癒えることはないでしょう。
希望福祉院での出来事が実話であるというのはドラマの大きな見どころであり、見る人によっては嫌なところになりますね。