稀代の詐欺師をめぐる現在と過去の交錯
23年にCoupang Playで配信された韓国ドラマの「ミッキ」です。
主演にチャン・グンソク、ホ・ソンテ、イエリヤ。
死んだはずの詐欺師が殺人事件の容疑者として浮上し、その謎を追う刑事と周囲の人間たちの執念を描くクライムスリラーです。
ミッキの反響
「ミッキ」はCoupang Playという動画配信サービスのオリジナルドラマになりますね。
つまりテレビドラマではなく、ウェブドラマになります。
主演のチャン・グンソクにとっては5年ぶりのドラマ復帰作で、配信前からファンに注目されていたドラマです。
そしてドラマの配信が始まると、プラットフォーム内でのランキングで1位を記録。
テレビドラマと違い視聴率という指標はありませんが・・・。
Coupang Playの加入者が増えるきっかけとなったドラマなので、興行的にも一定の成果を上げたと言えますね。
ミッキの韓国での評価
ジャンルとしては犯罪捜査、ミステリー、スリラー系になりますね。
チャン・グンソクといえば、かつて日本向けのドラマにばかり出演しているイメージもあった俳優さん。(「メリは外泊中」「ラブレイン」「キレイな男」)
よって韓国での評価を落としていた時期もあるのですが、近年はイメージ転換に成功。
ミッキでも「華やかな貴公子のイメージを完全に脱ぎ捨てた刑事役」として現地でも良い評価を受けています。
ヒゲを蓄え影のある眼差しで事件を追うチャン・グンソクは、俳優としての幅を広げましたね。
実際に韓国で起きた「チョ・ヒパル詐欺事件」をモチーフにしたドラマである点も、没入度を高めた理由です。
伏線の重圧と逆転の評価。重厚なラストの価値
ちなみに6話までがパート1、12話までがパート2という形で配信されました。
結果、6話までが伏線や説明の比重が大きすぎるという指摘があります。
前半のストーリー展開が遅い印象を受ける原因と言われ、惜しい要素になりますね。
後半に関しても一部のキャラクターの行動が極端だという指摘がある。
例えば詐欺被害の被害者がお金を取り戻したくて過激な行動をとったり、悪役の逃亡劇で必要以上に残酷な罠を仕掛けたり。
ただし最終回の結末については評判の良いものになりますね。
社会的なメッセージも込められており、重厚なラストとして評価される。
過去の詐欺事件と現代の連続殺人事件
今作は2000年代に起きた大規模な詐欺事件と、現代の連続殺人事件が組み合わさっていく構成になります。
2000年代の詐欺事件は、韓国史上最大の詐欺と言われる「チョ・ヒパル事件」がモデルです。※医療機器のレンタルの詐欺
ホ・ソンテ演じるノ・サンチョンが行う巨額詐欺や、中国へ逃亡した後に「急死」したとされる設定はチョ・ヒパル事件そのもの。
被害額が数兆ウォンにのぼり、主犯格の死に多くの疑惑が残っている点もモチーフそのものです。
実在の事件×ミステリー。脚色が生んだ極上の緊張感
一方で現代の連続殺人事件にモチーフはなくフィクションです。
「死んだはずのノ・サンチョンが犯人だ」とされる連続殺人事件は、チョ・ヒパル事件と関係はありません。
実際の詐欺事件に加えて、殺人事件というミステリー要素を加えることで、脚本に推進力が付きました。
「死んだとされる犯罪者が本当は生きていて、別の罪を犯している」というのは、実際にありそうですしね。
ちなみに脚本のキム・ジンウク作家の前作は「ミストレス」。
ミストレスはイギリスのドラマが原作で、日本でもリメイクされていますね。
韓国版は私も好きなのですが、キム・ジンウク作家はモチーフがあるものを脚色するのが上手なのかも。
監督のキム・ホンソンは「ボイス」シリーズなどを担当しています。
ミッキのOSTまとめ
ABOUT「Unstoppable」
カン・イチェ「Neup」
アトリエの独り言
実際の詐欺事件がモチーフになっているから、フィクションである殺人事件にも緊張感が増す結果になりました。
全12話なので比較的短いドラマになりますが、重厚なラストなので余韻もあると高評価。
日本の口コミを見ると意外と厳しい評価なのですが、チャン・グンソクファンが普段見ないジャンルを見ている影響もあると思う。
正直、チャン・グンソクに関しては我々日本人から見ても色物俳優のイメージが少なからずあると思う。(だからこそ今作のギャップが凄い)
ミッキもジャンル的に好きでも、チャン・グンソクと聞いて敬遠してしまう方もいるのではないでしょうか?
その気持ちもわかりますが、そう評判の悪いドラマでもないので、ジャンルが好きなら見てみるのも良さそうなドラマです。