オナーの評価と視聴率は?本国で悪口が「無音処理」された攻めの脚本 - 韓流アトリエ~気になるニュースとドラマ、視聴率や評価を読み解く~
最新の韓国ニュースを独自の視点で。視聴率やドラマへの厳しい声も、忖度なしの言葉で綴ります。

オナーの評価と視聴率は?本国で悪口が「無音処理」された攻めの脚本

オナーの評価と視聴率は?本国で悪口が「無音処理」された攻めの脚本

女性弁護士たちが闇を暴く痛快なミステリー法廷劇

26年にENAで放送された韓国ドラマ「オナー ~彼女たちの法廷~」です。
主演にイ・ナヨン、チョン・ウンチェ、イ・チョンア。

スウェーデンの人気ドラマ「Honour」を原作とし、女性弁護士3人が巨大な性犯罪カルテルに立ち向かう姿を描いた力強い法廷ミステリードラマ。
韓国での放送当時から、重厚な社会派ドラマとしてタイムラインで見かけて気になっていた作品。

オナーの視聴率推移

回次全国視聴率
1回3.1%(最低)
2回3.2%
3回3.8%
4回3.3%
5回3.1%(最低)
6回3.1%(最低)
7回4.3%
8回4.2%
9回4.3%
10回4.3%
11回4.4%
12回4.7%(最高)

※データ出典:Nielsen Korea基準

初回は3.1%というまずまずのスタートを切った「オナー ~彼女たちの法廷~」です。
1話、5話、6話で記録した3.1%が自己最低視聴率になりますね。
6話までは3%台の推移ですが、7話以降は4%台の推移。
最終回12話で自己最高視聴率4.7%を記録しました。

雰囲気は違うとはいえ、ドラマ枠の前作もリーガルドラマの「アイドルアイ」
アイドルアイは最高3.5%、最終回2.8%となっています。
同ジャンルの前作と比較しても、オナーの数字は十分に健闘した視聴率です。

※数字はニールセンコリア調べ

オナーはつまらない?韓国でのリアルな評判と評価

今作は法廷、オフィス、スリラー、ミステリージャンルです。
主演のイ・ナヨン、チョン・ウンチェ、イ・チョンアという実力派女優3人組のケミに絶賛の声が集まっています。

これまでの韓国ドラマにありがちだった「誰か1人のヒーローが事件を解決する」形ではなく、3人がそれぞれの専門性と個性を持ち寄ってローファームという組織で戦う。
スタイリッシュでありながら、それぞれが抱える複雑な感情を見事に表現する演技力は圧巻です。

スウェーデン原作を韓国のデジタル性犯罪へ落とし込んだローカライズの妙

また、スウェーデンの原作を、韓国社会に蔓延るデジタル性犯罪というリアルな問題へと落とし込んだローカライズの巧みさも高く評価されています。

ドラマの中で描かれる「コネクト・イン」というアプリの存在や、それに群がる人間の姿は、ニュースで見たことがあるような既視感と恐怖を覚えさせます。
フィクションでありながら、今まさに私たちの隣で起きているかもしれないと思わせるサスペンスとしての緊迫感が特徴ですね。

アイドルアイ視聴率と評価|スヨンが描く理想のファン像とは?

韓国ドラマ『アイドルアイ』の視聴率推移と韓国でのリアルな評価を徹底解説。自己最高3.5%を記録したものの最終回で失速した理由とは?ITZYリアなど豪華アーティストが参加したOST全曲リストも掲載。元トップアイドルのチェ・スヨンが演じる「成功したオタク」の説得力を独自の視点で読み解きます。

韓流アトリエ~気になるニュースとドラマ、視聴率や評価を読み解く~
本国で賛否が分かれた「リアリティの変質」

一方で、少し惜しいという厳しい意見も見られます。
今作は身近に潜むようなデジタル性犯罪や、リアルな被害者の苦悩に焦点を当てており、非常に高い緊張感を持ったドラマ。
しかし中盤から終盤にかけて、主人公たちが対峙する相手が「巨大な組織」や「国家規模のカルテル」へとスケールアップしていきます。
結果、韓国の視聴者の間では「サスペンスとして派手にはなったけれど、前半にあった身近な恐怖や生々しいリアリティが薄れてしまった」という声が上がっています。

そもそも、デジタル性犯罪や女性への搾取という、現代社会の暗い部分に真っ向から切り込んでいるドラマです。
テーマそのものが非常にデリケートで重いため、エンタメとして純粋に楽しむにはかなりの精神的エネルギーが必要ですし、見る人を選ぶポイントですね。

被害者を消費しない力強い脚本が魅せるシスターフッド

今作の特徴としてあげられるのが被害者の描かれ方です。
多くのドラマでは、性犯罪の被害者は事件を動かすための単なるきっかけや、守られるべき弱者として消費されがちです。

しかしオナーでは、その描き方が根本から違っています。
被害者たちは、ただ泣き寝入りして救いを待つだけの存在ではありません。
それぞれが深い傷を負いながらも、自分の人生を取り戻すために勇気を出して一歩を踏み出し、自ら真実を暴くための主役になっていきます。

ここに、イ・ナヨンたちが演じる弁護士3人の関わり方が絶妙に絡んできます。
彼女たちは上から目線で救いの手を差し伸べるのではなく、同じ時代を生きる女性として、被害者の隣に並んで一緒に戦う伴走者になります。
この対等な連帯こそが、今作の最大の魅力であるシスターフッド(女性同士の絆)です。

大衆性よりもメッセージ性を重視した、骨太な社会派ミステリー

気楽に見れて、悪人を倒してスカッとするドラマの方が大衆性はあるでしょう。
でも、今作はあえてそこに背を向け、現代の闇に真正面から切り込んだ骨太な社会派ミステリー作品ということですね。

セレブリティと比較して見える現代の闇へのアプローチ

デジタル社会の闇を描いた作品として思い浮かぶのが、パク・ギュヨン主演の「セレブリティ」です。
「セレブリティ」がインフルエンサーたちの華やかな世界の裏側に潜む嫉妬や匿名の悪意、SNSの闇を暴くスキャンダラスなドラマだったのに対し、今作はより組織的で暴力的なデジタル性犯罪カルテルとの法的な戦いを描いています。

どちらも現代の韓国社会が抱えるリアルな闇をえぐり出していますが、「セレブリティ」が人間の承認欲求の恐ろしさをエンタメに昇華したのに対し、「オナー ~彼女たちの法廷~」はより重厚で社会派なアプローチをとっています。
華やかさの裏にある個人の狂気を見たいなら「セレブリティ」、理不尽なシステムに立ち向かう正義を見たいなら今作、という棲み分けができそうです。

パソコンの画面を前に、イケメン俳優不在ゆえに口コミが荒れないと見抜き、フラットな評判を冷静に待つアトリエ猫のイラスト。「イケメン不在の今作は口コミが荒れない。まずはフラットな評価を待つのがアトリエ流の保留術。」の文字入り。

アトリエの独り言

原作がスウェーデンの人気ドラマとはいえ、性犯罪が素材になっているので見るのが辛い人もいるでしょう。
性犯罪というテーマ上、フラッシュバックや不快感を覚える可能性のある描写があるかもしれません。

本国で「無音処理」を連発?過激なセリフから透ける本作の本気度

ちなみに韓国のテレビ視聴者の間では、あまりに生々しい悪口の一部が「無音処理(ミュート)」されていたことが話題になっていました。
韓国は放送審議が厳しいため、デジタル性犯罪のリアルな現場を描く本作のセリフは、それだけ過激で攻めた内容だった証拠とも言えます。

現在、日本のU-NEXTで配信されている字幕版では、流石に直訳ではなくマイルドな日本語表現にローカライズされていることでしょう。
ただ、画面から伝わる空気感や俳優たちの迫真の演技を見れば、オリジナルのセリフがどれほど重いものだったかは十分に伝わってくるはず。

イケメン俳優不在がもたらすフラットな評価

気楽にスカッとするドラマを探しているのなら、他の作品がおすすめです。
ですが「ズッシリした見応えのあるドラマを探していた!」というのであれば、視聴候補になる作品でしょう。

これを書いている26年7月13日は、日本でのU-NEXT配信がスタートした直後。
幸か不幸か、人気イケメン俳優が出演しているドラマではないので、俳優目当ての視聴者が口コミを荒らす(?)ことはなさそうです。
まずは日本での口コミが出そろうのを待ってみるのも、方法の1つかもしれませんね。

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