行方不明になった死者たちの思いを解き明かす物語
20年にOCNで放送された韓国ドラマの「ミッシング」です。
主演にコ・ス、ホ・ジュノ、アン・ソヒ、ハジュン、ソ・ウンス。
行方不明になったまま遺体が見つかっていない死者たちの魂が集まる村を舞台にした、ファンタジー要素のあるミステリーですね。
ミッシングの視聴率推移
前作の「トレイン」が最終回で1.42%と低調だったこともあってか、「ミッシング」も初回は1.7%という低めの数字からのスタートでした。
しかし、1話が自己最低視聴率という良い傾向。
3話で3%台に乗せると、その後も安定した数字をキープしています。
最終回では自己最高の4.81%を記録し、有終の美を飾りました。
当時はコロナの影響で撮影が遅れて放送休止を挟むなど、視聴率には不利な条件もありました。
それでも非地上波のOCNという放送局で4.8%まで伸ばしたのは大きな成功と言えますね。
当時のOCNドラマでは歴代10位に入る高視聴率です。
※数字はニールセンコリア調べ
ミッシングの韓国での評価
OCNといえば日本でもリメイクされた「ボイス」を筆頭に、ダークな犯罪捜査ドラマが多いイメージですが、今作はファンタジーとヒューマンドラマが見事に融合した作品として好評を得ました。
今作も犯罪、捜査ジャンルですが、ファンタジーやヒューマン色が強いですね。
「行方不明の死者の魂が住む村」というテーマが新鮮で、亡くなった人たちの無念を晴らすストーリーが視聴者の涙を誘いました。
一方で、厳しい意見もいくつか見られます。
現地のメディア等、主人公であるコ・スとホ・ジュノの二人が抱える過去や伏線が、十分に回収されないまま終わってしまった点が指摘されています。
2人になぜ霊が見えるのか、その背景には過去の伏線があったはずなのに、深堀りされなかった。
興味深い設定のドラマだっただけに、ストーリーの核心部分が少し曖昧に感じられた層もいたようですね。
サブカップルに尺を使いすぎ?メイン物語回収不足への本音
また、批判も少なくないのがサブ主人公であるハジュンとソ・ウンスのエピソードの多さです。
二人の悲恋がストーリーの大きな軸になっていますが、その比重があまりに大きいため、視聴者によって好みがはっきり分かれました。
ミッシングは私も見ましたが、舞台であるドゥオン村の、他の村人たちの背景や小さなエピソードを深掘りしてほしかったという気持ちもあります。
だからハジュン、ソ・ウンスのカップルの比重を減らして、他の村人にスポットを当ててほしかった。
また、アン・ソヒの出演シーンが期待していたよりも少なかったことも、彼女のファンにとっては少し残念な点だったかもしれませんね。
ヒロインのはずなのに、ほとんど空気だった。(ホワイトハッカーとしての能力を事件解決に活かしてほしかった)
それはコ・スとホ・ジュノ2人のメインエピソードにも言えることで、サブカップルの比重が大きくてドラマのバランスが崩れた感覚がありますね。
ミッシングのOSTまとめ
Monday Kiz「듣고 있나요 나의 목소리」
Lily「Pray For You」
シン・イェヨン「Be There」
SE O「약속해」
Sondia「Heaven’s Door」
アトリエの独り言
ミッシングは私も見ましたが、死者の暮らす村という素材が本当に魅力的で、他のスリラー系ドラマにはない温かさがある作品だと感じました。
ハラハラする要素は控えめなので、怖いのが苦手な人でも安心して見られるのが良いところですね。
ただし最終回は駆け足で終わった印象もあり、コ・スとホ・ジュノの傷が癒える過程を丁寧に描いてほしかったという不満も残るところ。
ちなみに最終回はシーズン2を予感させる終わり方で、実際に制作されたシーズン2も好評のまま幕を閉じました。
シーズン3を望む声も多いようですが、今のところ具体的な予定がないのは少し寂しいですね。
物足りなさも強いドラマなのですが、韓国ドラマにしては珍しく(?)シーズン2の方が評判も良いドラマです。
ジャンルが好きな方には、まずシーズン1を見てもらいたい作品ですね。