王になった男の評価と視聴率を徹底分析!映画版との違いや結末の真相 - 韓流アトリエ~気になるニュースとドラマ、視聴率や評価を読み解く~
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王になった男の評価と視聴率を徹底分析!映画版との違いや結末の真相

王になった男の評価と視聴率を徹底分析!映画版との違いや結末の真相

映画の影を完全に振り払った圧巻の本格フュージョン時代劇

2019年にtvNで放送された韓国ドラマ「王になった男」です。
主演は子役出身の実力派ヨ・ジング、ヒロインにイ・セヨン。
さらに脇を固める重臣役にキム・サンギョン、チャン・グァン、クォン・ヘヒョといった名優たちが集結しました。

朝鮮王朝時代を舞台に、命を狙われる狂気の国王が、自身と瓜二つの道化師を宮廷へ替え玉として引き入れることから物語が動き出すサスペンス時代劇です。

原作は、韓国で観客動員数1230万人超のイ・ビョンホン主演の同名メガヒット映画。

王になった男の視聴率推移

回次全国視聴率
1回5.7%(最低)
2回6.6%
3回8.0%
4回8.9%
5回8.1%
6回7.6%
7回8.4%
8回9.5%
9回6.6%
10回8.2%
11回9.3%
12回8.7%
13回10.0%
14回8.7%
15回9.5%
16回10.9%(最高)

※データ出典:Nielsen Korea基準

初回から5.7%というケーブルテレビのtvNとしては好調な数字で好スタートを切った「王になった男」です。
これは当時のtvN月火ドラマとしては歴代最高となる1話の視聴率記録でした。

中盤以降も緊迫感あふれるストーリー展開が話題を呼び、右肩上がりに数字を伸ばしていきました。
地上波ドラマとの激しい視聴率争いを制し、同時間帯の1位を独走。
13話で二桁突破、最終回16話では自己最高視聴率となる10.9%を叩き出し、有終の美を飾りました。
1話が自己最低視聴率だったのも良い推移です。

※数字はニールセンコリア調べ

王になった男はつまらない?韓国でのリアルな評判と評価

今作は本格時代劇の重厚感と、宮廷ロマンスの切なさを高次元で融合させた作品です。
韓国で最も絶賛されたのは、暴君イ・ホンと道化師ハソンの二役を見事に演じ分けたヨ・ジングの凄まじい演技力でした。

光と闇の対比を際立たせる、ヨ・ジングの「目の演技」の凄み

子役時代から演技派として知られていたヨ・ジングですが、今作で彼が魅せた一人二役は、単なる「性格の演じ分け」の次元を超えています。
特に注目してほしいのが、目の光の宿し方と首の角度のわずかな違いです。

暴君イ・ホンを演じる時の、何かに怯え、猜疑心と薬物で瞳孔が開いたような濁った視線。
一方で道化師ハソンを演じる時の、真っ直ぐで嘘のない澄んだ瞳。
衣装やメイクはもちろん同じなのに、顔つきそのものが全くの別人にしか見えない瞬間が幾度もあります。
画面に彼が映った最初の1秒で「いま画面にいるのはどちらなのか」が直感的に伝わってくる圧倒的な説得力は、時代劇を何十本と観てきたファンでも思わず息を呑む見どころです。

キム・ヒウォン監督による、映画並みに贅沢な「陰影と静寂の演出」

このドラマが他の量産型フュージョン時代劇と一線を画している最大の要因は、キム・ヒウォン監督(後に「ヴィンチェンツォ」や「シスターズ」を手掛けるヒットメーカー)の演出美学にあります。

一般的なドラマにありがちな「とりあえず顔を明るく綺麗に照らす照明」ではなく、夜の王宮の暗闇や、障子越しに差し込む月明かり、ろうそくの揺らめきなど、「影」を非常に美しく使っています。
王の心の孤独や、宮廷の底知れぬ恐ろしさが、セリフではなく画面のトーン全体から痛いほど伝わってきます。
また、緊迫した場面であえて劇伴音楽を完全に止め、衣擦れの音や吐息の音だけを響かせる「静寂の演出」が秀逸で、見ているこちらの背筋が自然と伸びるような没入感を生み出しています。

終盤の着地における「説明不足」と好みの分かれ

一方で、最終回の結末(エンディング)に対しては視聴者の間で好みが分かれました。
結末そのものの展開(どういう運命を辿るか)については、作品のメッセージ性として納得できる一方で、そこに至るまでの「過程の描き方」にやや駆け足な印象が残ります。

終盤の展開は余韻を重視した作りになっている反面、危機を脱した経緯や空白期間の描写が省略されているため、論理的な伏線回収を好む視聴層からは竜頭蛇尾と捉えられやすい構造になっています。

情緒的な映像美で美しくまとめられてはいるものの、論理的な筋の通り方をきっちり求めるタイプの視聴者からは「竜頭蛇尾」「最後の最後で少しモヤモヤした」という声が上がってしまう要因になっています。

映画版と比較して見えるキャラクターの深みとロマンスの行方

約1232万人を動員したイ・ビョンホン主演の映画版と比較すると、それぞれの魅力の違いがよく分かります。
映画版が2時間という限られた尺の中で、痛快なカタルシスとユーモアを交えながら一気に駆け抜けたのに対し、ドラマ版は全16話の尺を活かして登場人物の心理描写を深く掘り下げています。

特に大きく異なるのが、王妃ソウンとのロマンス描写です。
映画版では淡い想いや切ないすれ違いにとどまっていたのに対し、ドラマ版では「愛してはいけない替え玉の男」に惹かれていく王妃の葛藤や、正体を知った後の苦悩が丁寧に描かれ、切ないメロドラマとしての魅力が格段に増しています。

映画版が完成された名作映画としての爽快感を持つならば、ドラマ版はよりダークで重厚な政治劇と切ない愛の物語をじっくり味わえる作品と言えますね。

ロマンス展開に対する「倫理的な引っかかり」

ヒロインである王妃ソウンとの切ない純愛は今作の大きな見どころですが、見る人によっては「設定上の倫理観」がノイズになる可能性があります。
王妃から見れば、目の前にいる男性は「正気を取り戻した最愛の夫」に見えていますが、実態は「夫の顔をした赤の他人の道化師」です。

二人が心を通わせていく過程が美しく描かれれば描かれるほど、「本物の夫(たとえ暴君であっても)を差し置いて、偽物と恋に落ちていくことへの背徳感や居心地の悪さ」をぬぐえない視聴者もいます。
この奇妙な三角関係の歪さに生理的な抵抗を感じてしまうと、純粋な胸キュンや切なさに100%没入しきれないという、好みの分かれが生じやすいポイントです。

韓国ドラマ「王になった男」を鑑賞するアトリエ猫の漫画。ヨ・ジングの目の演技による圧倒的な演じ分けに驚きつつ、偽物の夫との切ないロマンスに背徳感を覚えて葛藤する、筆者のリアルな視聴体験を描いたイラスト。

アトリエの独り言

※ここから物語中盤の核心に触れています。

大ヒット映画のリメイクという極めてハードルの高い挑戦を見事に成功させた傑作です。
大抵の映画リメイク作はオリジナルの壁に阻まれて比較されがちですが、今作は中盤で本物の王を退場させるという大胆な勝負手を打ち、ドラマならではの独自性を完璧に確立しました。

ヨ・ジングの鬼気迫る演技はもちろん、イ・セヨンとの凛とした宮廷ロマンス、そしてキム・サンギョンとの濃密な師弟関係など、見どころが尽きません。

日本での評価も非常に高く、韓流時代劇ファンの間でも「最後まで息をつかせない名作」として安定した支持を得ています。
時代劇特有の権力闘争や心理戦が好きな人はもちろん、骨太な人間ドラマや切ないロマンスを求めている人におすすめできる一本です。

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