ヒョノとナヒが描いた「友達以上」の結末
韓国ドラマ「夜になりました」で、視聴者が心を痛めたのがヒョノとナヒの関係性です。
ホン・ミンギとパク ジュウォンが演じた2人は、凄惨な状況下で「救い」のような存在でした。
しかし、デスゲームという環境では2人の関係性が1番の悲劇とも言えるのかもしれません。
※ネタバレ表現あり
公式には定義されない純粋な結びつき
2人の関係については、公式設定で恋人と明記されているわけではありません。
作中でも恋人関係だと言い切れるシーンはなかったのですが、どう見ても両想いで恋人を思わせる絆を感じさせました。
山中で傷を負ったナヒを介護した姿もそうですが、そもそもヒョノはナヒが山に向かうことになったからナヒを守るために付いていったように見えます。
山に行くと言ったヒョノを見て、安堵の表情を浮かべたナヒも印象的です。
ヒョノは宿舎についたときも、ナヒの荷物を持ってあげていましたね。
友達以上恋人未満という言葉が適切なのかはわかりません。
もしかしたら国家代表レベルの選手であり柔道に打ち込んでいるヒョノのために、あえて関係を明確にはしていないのかもしれませんね。
「守ってあげる」という残酷なフラグ
作中で印象的だったのが、ナヒがヒョノに伝えた「私が守ってあげる」という言葉です。
(さらに「生きて帰れたら、また試合をみたい」という言葉も)
柔道の全国大会メダリストであり体力的にも精神的にも非常に頼もしいヒョノに対して、控えめなナヒが示した態度は愛の告白とも言えます。
しかし、この美しい告白も、デスゲームの最中であるため、ヒョノの死を予感させるフラグになってしまったのは、あまりにも皮肉なところ。
試合を見たいというナヒの願いは叶うことなく、ドラマの絶望感が以上に高まったシーンでした。
善意の誤算と卑劣な罠。ヒョノを死に追いやった男たち
結果的にヒョノの死は2人の主要人物によって生まれました。
ダボムをいじめていたギョンジュンを制圧したヒョノは、ギョンジュンに恨まれパニック状態の中で実質ジョンウォンに殺されてしまった。
そしてそのパニック状態を作ったのはジュニ&ギョンジュンです。
人の好さが感じられたジュニの提案は理解できる部分があります。(デスゲームの最中にあまりに安易な提案ですが)
ですがギョンジュンはその提案が甘いことを理解したうえで、自分の命を優先して賛成したふりをしました。
ギョンジュンは自分だけこっそりとスマホを隠し持ち、ヒョノのスマホを投げ捨てることでヒョノの死を演出してしまいました。
いじめられっ子を助けたヒョノの優しさが仇になったというのが非常に悲しい。
韓国での評価と設定へのシビアな意見
韓国の視聴者掲示板では、主人公カップルであるジュニとユンソよりも「ヒョノとナヒのカップルを応援していた」という声も大きいです。
ジュニとユンソはデスゲームの謎を追っていたため、ロマンス描写が少なめになった面があります。
その点、ヒョノとナヒはデスゲームの中でお互いを思いやり、頼りになる男の子と控えめな女の子という構成も癒しの要素になりました。
(ドラマン的に仕方がないのですが、ユンソは死体を観察したり、単独で危険な行動をとるなど理解しがたい言動も多い)
それだけに、2人の関係を描き切る前にヒョノが脱落した構成には、大きな不満が寄せられています。
主役を凌いだ「未完の魅力」。早期脱落が招いた皮肉な熱狂
一方で、「デスゲームというジャンルに、善人同士のロマンスは必要なかった」という指摘もあります。
もしヒョノが生き延びていればロマンス描写が増え、人気パートにもなったでしょうが、デスゲームの殺伐とした雰囲気を考えると蛇足という批判も大きくなりそうです。
それよりはソミとギョンジュンのような悪役系のサブ主人公の活躍の方が、デスゲーム的には面白いでしょうからね。
ヒョノは早期退場したことで人気が加速した面もありそうです。
序盤で死んだことで(しかも男主人公の言動がきっかけで)SNSや掲示板で大きな話題となり、主演キャラより人気のように見えた面はあるかもしれません。
あの時点ではジュニというキャラクターに魅力的な要素は薄かったですし。
アトリエの独り言
ヒョノとナヒの関係は公式に明記されていませんし、恋人同士ではなかったのでしょう。
ですが、1番良い(楽しい)時期でもあるわけです・・・。
故にデスゲームの残酷さが引き立ったと言えますね。
そして残酷だったからこそ、2人の関係性が美しく見えました。
ナヒはデスゲームの最中でも変化、成長を見せ、最後は大きな活躍も見せました。
決して闇落ちすることもなかったわけです。(ヒョノが死んだ直後はジュニを恨んでもおかしくなさそうだったのに)
自分の過去を反省する姿も(パク・セウンの関係)、善人キャラとしての存在感を見せました。
ヒョノとの関係性も視聴者の美しく記憶されるものになりましたね。
主役を超える決断力。完璧な男が残した「未完の結末」
もしも、ヒョノがあそこを生き延びていれば・・・。
ヒョノはマフィアにも、投票のターゲットにもなりそうにはありません。
さらにナヒがマフィアのターゲットになったときも、売店に身を隠すという提案をしたはずです。
(ジュニはそれもできず、死を覚悟したナヒの思いを受け入れてしまった)
あるいは、ヒョノが生きていればギョンジュンの暴走が食い止められ、医師であるユジョンが生きていたかもしれません。
そうなれば、ナヒがターゲットになったときに、ユジョンがナヒを助けてくれたかも。
ラスボスとのバトルも、ヒョノなら簡単に制圧できるかもしれません・・・。(刃物を持っているので、簡単ではないでしょうが)
結果、ヒョノもナヒも最後まで生き延びた結末も十分に考えられます。
しかし、そうなるとヒョノとナヒが主人公の、まったく別のドラマになりそうですからね。
やはりヒョノの早期退場は必然と言えそうです。