罪と痛みを背負った唯一の謝罪者
韓国ドラマ「ブラインド」の凄惨な復讐劇の中で、過酷な過去を背負いながら娘に真実を告げられずにいたチョ・インスク。
ウンギの母、インスクを演じたのはチョ・ヨニ。
ストーリーの核心に触れる重要な存在でありながら、視聴者の間ではある「違和感」も指摘された存在になります。
※ネタバレ表現あり
親子というには近すぎる実年齢の壁
個人的にも見ていて気になったのが、キャストの実年齢が生み出した視覚的なギャップです。
作中ではウンギが29歳で、インスクは55歳の設定になっています。
しかしキャストの実年齢でいえば、チョン・ウンジとチョ・ヨニの年齢差は16歳程度。
さらにチョ・ヨニと言えば、童顔で知られるルックスです。
そのことから親子というよりも姉妹のように見えてしまうという声があります。
インスクは比重の大きなキャラではないので、没入度が削がれるというほどではないのですが・・・。
そうは言っても違和感があったのも事実です。
地獄を傍観してしまった悔恨と孤独
インスクはかつて希望福祉院で起きた虐待の事実を知りながら、それを告発できずにいた過去を持っています。
テレビ局を通じて告発しようとしたけど裏切られ、性暴力に苦しむ少女を救うこともできませんでした。
それだけでなく、自身も性暴力の被害者であり、ウンギもその末に生まれた子供であるという重たい設定。
インスクもまた復讐のターゲットになっていたのですが、これでは加害者というより被害者です。
加害者と被害者の境界線で揺れる唯一の謝罪
さらに希望福祉院に関わった人間の中で、謝罪を口にしたのは彼女だけ。
ソンフンやユンジェから見れば、自分を助けてくなかった加害者に変わりはないのでしょう。
それでも被害者とも言えるインスクだけが頭を下げたというのは残念なところ。
許されるべき存在ではないのかもしれませんが、性暴行を受けていた事実を思うと責め切れないところもある。
演技力でねじ伏せた終盤の圧倒的な存在感
若く見えるゆえキャスティングに違和感があった一方で、終盤にはその演技力で魅せてくれました。
ウンギに父親の真実を打ち明けるシーンは作中屈指の見どころの1つです。
自身の父親に関しての悲しい事実を聞いたウンギですが、彼女の変わらぬ姿勢も見どころ。
自分の血が嫌になりそうなものですが、親子の絆を感じるシーンでした。
アトリエの独り言
ウンギが復讐のターゲットになっていたことから、母のインスクにも何か秘密の過去があるというのは想像できました。
犯罪に加担してる雰囲気ではないし、ウンギに父親のことを訪ねられたら激しく怒っていたことから、想像はできた秘密でした。
それにしてもブラインドは、か弱い女性がターゲットになり苦しむ描写が多いのが辛いところ。
そもそも復讐の動機が子供時代の虐待という重たいものですし、復讐劇も罪のない女性がターゲットになることが続き・・・。
インスクの件については、ウンギが変わらず前を向いていたのが救いになりますね。