豪華キャストが織りなす「優しい嘘」の物語
2022年にKBSで放送された韓国ドラマ「カーテンコール」です。
主演にカン・ハヌル、ハ・ジウォン、そして重鎮コ・ドゥシム。
さらにソン・ドンイルやクォン・サンウ、チョン・ジソなど、映画級の豪華な顔ぶれが揃いました。
余命わずかな祖母の「北朝鮮に残した孫に会いたい」という願いを叶えるため、売れない舞台役者が偽物の孫を演じることから始まる、心温まるヒューマンドラマです。
カーテンコールの視聴率推移
| 回次 | 全国視聴率 |
|---|---|
| 1回 | 7.2%(最高) |
| 2回 | 3.1%(最低) |
| 3回 | 5.6% |
| 4回 | 6.0% |
| 5回 | 4.7% |
| 6回 | 5.6% |
| 7回 | 4.3% |
| 8回 | 4.3% |
| 9回 | 4.2% |
| 10回 | 5.4% |
| 11回 | 5.5% |
| 12回 | 6.1% |
| 13回 | 4.6% |
| 14回 | 5.2% |
| 15回 | 5.3% |
| 16回 | 5.7% |
※データ出典:Nielsen Korea基準
初回は7.2%というまずまずのスタートを切った「カーテンコール」です。
しかし、1話が自己最高視聴率という悪い傾向。
2話で自己最低視聴率の3.1%へと一気に急落してしまいましたが、これが野球中継の関係で放送時間が遅れたため。
7、8話もサッカーワールドカップの影響で、週1放送になり視聴率が停滞。(韓国ドラマは週2放送)
基本的に5%台の推移となり、最終回16話は5.7%となっています。
豪華キャストのドラマですし、かなり寂しい視聴率と言えますね。
※数字はニールセンコリア調べ
カーテンコールはつまらない?韓国でのリアルな評判と評価
ジャンルとしては、ロマンスを織り交ぜた重厚なファミリーヒューマンドラマ。
韓国では「KBS局が本気でお金を使った」と言われるほどの豪華なキャスティングに対して、とにかく絶賛の声が上がっています。
実際、蓋を開けてみるとその演技合戦は圧巻の一言です。
主演から脇役に至るまで演技派の俳優たちが出演しており、彼らの圧倒的な演技力のおかげでドラマへの没入感を高めました。
特に余命わずかな日々を懸命に生きる祖母を演じたコ・ドゥシムの重厚な演技や、北朝鮮の方言を完璧にこなしたカン・ハヌルの表現力は圧巻の一言です。
激動の時代を生きた家族の絆を描く、優しいヒーリングドラマとしてのメッセージ性は多くの人の心に届いたようです。
過剰な演出とストーリーの「古さ」がもたらした失速
そうは言っても視聴率が停滞したことからもわかるように、必ずしも評判の良いドラマではありません。
「ストーリーや演出が過度に古い」といった厳しい指摘が相次いだのも事実です。
現地の膨大なレビューを分析すると、共通して挙げられているのが中盤の中だるみです。
ヒーリング系のドラマはどうしてもスロー展開になりがちですが、本作もその罠を回避できなかった印象を受けます。
善良すぎる家族が招いた緊張感の欠如と2000年代風演出の限界
偽物の孫が家族を騙すというスリリングな設定であるはずが、騙される側の家族が善良すぎるため、ハラハラ感よりもキャラクターの罪悪感ばかりが目立つ展開に終始しています。
この「優しい嘘」の引っ張りが長く、中盤からのスピード感不足を指摘する声が目立ちました。
演出に関しても、どこか2000年代初期の週末ドラマを彷彿とさせるベタなもので、令和の洗練されたサスペンスやスピード感に慣れた視聴者には、この「古き良きドラマ感」が新鮮味に欠けると映ったようです。
名優たちのカバー力と無難な結末への安心感
「カーテンコール」は演出とストーリーの面では惜しい部分が目立ったドラマです。
その不足分を俳優たちの演技力で見事にカバーしたという見方が強い作品になります。
引き延ばしや無理のある設定も、キャストの演技で説得力を持たせました。
視聴率も良くも悪くも固定されていたので、固定視聴者の存在も伺えますね。
竜頭蛇尾を回避した安定感、固定層を掴んだ「無難な結末」への評価
また、韓国ドラマといえば、結末がイマイチで評価を落とす作品が多いです。
実際に同時期に放送されていた「財閥家の末息子」は22年最大の竜頭蛇尾ドラマと言われています。
それを思えばカーテンコールは結末に関しては破綻することなく、きれいに終わった点が高評価になりますね。
ヒーリング系のドラマということもあり刺激が少なく、退屈に感じてしまう人もいるでしょう。
ですが、優しいドラマが好きな視聴者にとっては、最後まで安心して見ることができる点は好印象です。
同じ嘘から始まる「嘘の嘘」との決定的な違い
嘘をテーマにしたドラマとして思い出されるのが、イ・ユリ主演のサスペンスメロドラマ「嘘の嘘」です。
「嘘の嘘」が実の娘を取り戻すために命がけの嘘をつき、ハラハラドキドキする復讐と愛の物語だったのに対し、今作は一人の老人のために優しい嘘をつく癒やしの物語です。
どちらも嘘から始まる関係性は共通していますが、「嘘の嘘」が強烈な愛憎劇で視聴者を引っ張るのに対し、「カーテンコール」は終始穏やかで温かい家族愛を提示しています。
カーテンコールの優しさは、刺激を求める人には物足りないかもしれません。
しかし、心に染みる人間ドラマをじっくり味わいたい視聴者に向いているのが特徴です。
良い意味でも悪い意味でも王道のドラマと言ったところですね。
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アトリエの独り言
スローテンポなドラマというのは、好き嫌いも分かれやすいです。
今作で言えば悪人が目立つドラマではないというのも、賛否あるところでしょう。
刺激の強いドラマが、わかりやすく面白いですからね。
今作のように、じっくりと間を含めて堪能するタイプのドラマは大衆性に欠けるところもあります。
刺激とスピード感に疲れた大人へウケた王道感動ドラマの価値
ちなみに日本の口コミを見てみると思いの外、高評価ですね。
俳優ファンが評価を底上げしているという、僕の嫌いな現象がないわけではなさそうですが・・・。
それよりも優しい感動ドラマというのがウケています。
倍速視聴や刺激の強いマクチャンドラマに疲れた日本の視聴層にとって、このスローテンポで誰も傷つけない世界観が、格好の「癒やし枠」として機能したと考えられます。
ということなので、感動ジャンルが好きな人は見てみるのも良さそうなドラマです。
近年のトレンドである、刺激が強くストーリーテンポの速いドラマに疲れている人にもおすすめですね。
もちろん、キャストが嫌でないことが大前提になりますが。
