死を賭した抵抗が残酷な結末を招いた理由
韓国ドラマ「夜になりました」の登場人物であるアン・ナヒです。
ナヒを演じたのはパク・ジュウォン。
大切な人を失った中、勇気のある行動を見せながらも残酷な運命を辿ったキャラクターですね。
※ネタバレ表現あり
死を覚悟した警察の抵抗
ナヒといえば、警察という役職を明かし、ソミを追い込んだのが最大の見せ場ですね。
自分を人狼として追い込もうとしたソミを窮地に追いやったシーンは、作中でも屈指の見せ場です。
また、警察であると明かした以上、自分が人狼に殺されることを悟ったナヒ。
彼女は自らの死を利用して、人狼を暴くためのトラップを仕掛けました。
それが芳香剤に蛍光塗料を混ぜ、殺しに来た人物の靴に跡が残るような細工です。
さらには刃物で傷を負わせるための工夫もしています。
無抵抗に人狼に殺されていったクラスメイトと違い、ナヒの強い正義感を感じさせました。
カースト上位の陰に隠れた優しさと罪悪感
ナヒはヒョノの彼女という大きな武器があります。
柔道の全国大会メダリストで国家代表の候補であり、イケメンで性格も良く校内でもファンが多いであろうヒョノ。
厳密には彼女という設定ではないのですが、どう見ても両想いで実質カップル。
(柔道に集中するために、あえて交際という形を明言していないのかも)
ヒョノの彼女というだけで、カースト上位グループに入れるはずなのですが・・・。
気が弱く、周囲に流されやすいところがある普通の女の子。
序盤は友達であるはずのソミにいじめられているようにも見えました。
過去の罪を贖う「相対的な善人」
しかし、ソミがユンソを人狼候補にしたときには「ユンソが嫌いなだけでは」と意見するなど、単なる言いなりではありません。
パク・セウンの名前が出たときも、ソミらと一緒にいじめた過去を反省し、ソミに正直に打ち明けるように相談しました。
他のキャラクターはデスゲームのストレスでどんどん利己的になるなか、ナヒは成長を見せたキャラクターですね。
ヒョノが死んだときも、ジュニを恨むような発言をしていました。
ですが、警察という立場を利用しジュニが市民だと知ると、ジュニを許し、最期には彼を信用して一緒に人狼を追い詰めようとした。
市民だろうと許せなくても不思議ではありませんけどね・・・。
(そもそもヒョノの死に関してはギョンジュンが直接の死因を作った)
大切な人を失うきっかけを作ったジュニを許せるのも、ナヒが相対的な善人キャラになるポイントです。
報われなかった勇気の残酷さ
残念だったのが、ナヒが命を懸けて仕掛けた罠が報われなかった点です。
人狼であるジョンウォンによって完全に対策され、蛍光塗料はミナに、刃物はヨヌに疑いを向けさせる道具になってしまいました。
(刃物はジョンウォンの自作自演の可能性があるけど)
天敵ジョンウォンという絶望
これについてはナヒが甘かったというわけではなく、ジョンウォンがデスゲームの最終勝者としてプログラムされた存在だったからです。
しいて言えば、殺されないために売店に身を隠すべきだったので、それを提案せず、ナヒの死を受け入れたジュニが悪い。(ジュニだけの責任ではないけど)
※もっとも、シャッターは斧で壊せないという設定だけど実際には壊せるはず
せめて医師のユジュンが生きていれば、ナヒを生き返らせることができたはず。
死後にはダボムに滅多刺しにされる被害を受けた。
ユジュンの死も、ダボムの滅多刺しも、きっかけを作ったのジョンウォン・・・。
つくづくジョンウォンが天敵だったナヒです。
(ユンソを助けるためとはいえ、ナヒの遺体を利用したジョンウォンも酷い)
善人の仮面に隠れた罪。セウンへの嘲笑と償いの意志
ところで、善人キャラに見えるナヒですが、セウンをいじめていたという過去があります。
さらにはパク・セウンのディープフェイク動画が流出した際にも嘲笑している姿が確認できます。
いずれもソミら、周囲に合わせていただけの可能性はあるのですが、ナヒのイメージを思えば残念なところですね。
少なくとも、いじめの傍観者ではあるので。
反省している姿を見せただけ、他のキャラクターよりはまともな存在。
セウンの名前が出たときに、他の嘲笑していたキャラクターは我関せずでしたからね。
勇気を見せてソミを追い込み、人狼を探す罠を仕掛けたのも、セウンへの償いの意思があったのかもしれません。
被害者が最も憎んだのは「助けなかった者」
このドラマには「いじめ傍観者の罪」もテーマになっています。
セウンだけでなくダボムのいじめもそう。
ダボムはサイコパスキャラになったので感情移入がしにくくなったけど、彼もいじめっ子(ギョンジュン)より、いじめ傍観者(ジュニ)を責める発言をしていました。
一応、ダボムはセウンの件を反省していたので、あれでも相対的には救いがあるのかも。
先にも触れましたが、ジョンウォンはユンソを助けるためにナヒの遺体を利用するなど、なかなか酷いことをしています。
あれも、ジョンウォンはセウンの代わりになるキャラクターなので、セウンの傍観者に対する恨みを表しているのかもしれません。
アトリエの独り言
癖の強い女子生徒が多いクラスにおいて、貴重な普通の少女だったナヒです。
ヒョノが生きていれば、ユンソ&ジュニより人気のカップルになるだけのポテンシャルがありました。
ユンソとジュニはとにかく無力でしたが、ナヒがヒョノと組めば警察の役職を活かして活躍できそう。
逆に言えば、警察の役職を早くから活かせなかったのがナヒの残念なところかもしれません。
比重が少なくても魅力的なキャラクターだったので、死亡がとても残念でした。
ギョンジュン&ソミという魅力的な悪役が死んだ直後、ナヒまで死んで魅力的なキャラがいなくなってドラマの勢いも失速した印象です。
なんだかんだ、ナヒが1番死んでかわいそうと思えるキャラクターでしたね。