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21世紀の大君夫人の歴史歪曲をわかりやすく分析!なぜ大炎上した?

21世紀の大君夫人の歴史歪曲をわかりやすく分析!なぜ大炎上した?

「21世紀の大君夫人」歴史歪曲で大炎上の理由は?

最高視聴率13.8%を記録し、ディズニープラスでも世界的な大ヒットとなった「21世紀の大君夫人」。
IU、ビョン・ウソクという両トップスター主演で放送前から大きな話題だったドラマですね。

しかし、5月16日の最終回直前に勃発した「歴史歪曲論争」により、作品の評価は一気に落ちてしまいました。
IUとビョン・ウソクが自身のSNSで直接謝罪文を掲載するという異例の騒動に発展しています。
時代劇で歴史歪曲議論自体は珍しくないのに、なぜ主演が謝罪するほどの事態になっているのか疑問に思いました。

炎上の引き金は11話の即位式!「中国の属国」と批判された問題の描写

大炎上のきっかけとなったのは、5月15日に放送された11話のシーンです。
ビョン・ウソク演じるイアン大君が新しい王になる「即位式」が描かれたのですが、この演出が信じられないほどの歴史考証ミスだとして批判が殺到しました。

韓国の視聴者が激怒した理由をわかりやすく言うと、王様の「ファッション」と「家来たちのセリフ」にあります。

王様の冠の「ひもの数」が少なすぎた(国のランク下げ)

即位式でビョン・ウソクが被った冠には、ジャラジャラとした「ひも(旒)」がぶら下がっていました。
このひもの数は歴史的に「国の格(ランク)」を表す重要なものです。
中国の皇帝は最高ランクの「12本」ですが、過去に中国の属国(部下のような立場)だった時代の韓国の王様は、遠慮して「9本」の冠を被らされていました。
しかし、大韓帝国として独立してからは、韓国のトップも「12本」の冠を被るようになっています。

ドラマの舞台は「21世紀の独立した立憲君主国」という設定です。
それなのに、わざわざ過去の「中国の部下だった時代」の9本の冠を被せてしまったため、「なぜ21世紀のドラマで、自ら進んで中国の格下になろうとするのか」と批判が爆発しました。

「万歳(マンセー)」ではなく「千歳(チョンセ)」と叫んだ(王のランク下げ)

もう1つの致命的なミスが、家来たちが新しい王を称える時の叫び声です。
私たちがよく知る「万歳(マンセー)」という言葉は、本来は「1万年生きるほどの絶対的権力者(=皇帝)」にしか使えない言葉でした。
そのため、過去の属国時代には、中国の皇帝に気を使って「私たちはランクが下なので、10分の1の「千歳(チョンセ)」で我慢します」という意味で「千歳!」と叫んでいた歴史があります。

ドラマの中で家来たちが「千歳!」と連呼したことで、視聴者は「今の韓国の王室を、中国の部下扱いしているのか」と不快感を抱くことになりました。

つまり、現代の立派な独立国という設定でありながら、わざわざ昔の屈辱的なルールを引っ張り出してきて画面上で再現してしまったわけです。
これが韓国の視聴者のプライドを激しく傷つけ、あの記録的な大炎上を引き起こす決定打になってしまいました。

なぜここまで大ごとに?「文化侵奪」への警戒と歴史講師の痛烈批判

韓国ドラマの時代劇ジャンルにおいて、多少の脚色は珍しくありません。
しかし、今回ここまで世論が敏感に反応した背景には、近年の中国による「文化侵奪(韓服やキムチの起源主張など)」に対する強い警戒感があります。

2話で打ち切られた「朝鮮駆魔師」の悪夢と中国推しへの警戒感

歴史歪曲議論と言えば、伝説となったのが「朝鮮駆魔師」です。(21年のドラマ)
家が中国風のインテリアで、食べ物も韓国ではなく中国の食べ物。
韓国の偉人が召使のような扱いとして描かれたことも大きな批判を浴び、結果スポンサーが撤退して2話で打ち切りとなりました。

中国資本の介入があるのか、このような中国推しの演出が増えたこともあり、韓国の視聴者は中国推しの演出に敏感です。
「21世紀の大君夫人」も終盤ではなく序盤で今回の騒ぎが起これば、早期打ち切りの可能性があったかもしれませんね。

歴史講師チェ・テソンが突いた制作陣の急所

21世紀の大君夫人は、有名歴史講師であるチェ・テソンが自身のSNSでこの問題を公式に批判したことで、炎上が一気に加速しました。
チェ・テソンはドラマのポスターとともに「出演料は億単位を惜しみなく支払うのに、なぜ歴史考証の費用は数十万ウォンで済ませようとするのか。なぜ高証にかける時間をそこまで無視するのか」と制作陣の姿勢を痛烈に批判しました。

IUとビョン・ウソクの異例のスピード謝罪とネットの反応

5月18日、主演のIUとビョン・ウソクがそれぞれのSNSに公式謝罪文を掲載したことは、韓国国内でも大きな衝撃を与えました。
通常、ドラマの考証ミスや演出の責任は、監督や脚本家、制作会社が負うべきものです。

それだけに、出演者であるトップスター2人が「作品の歴史的文脈に悩みが足りなかった」と、自らの落ち度を認めて直接頭を下げたのは本当に異例中の異例です。
※朝鮮駆魔師のチャン・ドンユンやパク・ソンフンも謝罪している

この異例のハイスピード謝罪に対し、韓国のオンラインコミュニティやSNSでは様々な反応が飛び交っています。

「俳優のせいではない」と擁護・称賛する声

ネット上では、迅速に責任を認めた2人の誠実な姿勢を評価する声が多数を占めています。
「台本通りに演じただけのIUやビョン・ウソクが、なぜ真っ先に矢面に立たなきゃいけないの?」
「一番悪いのはチェックを怠った制作陣なのに、トップスターが盾にされているようで見ていて辛い」
といった、制作陣へ怒りをぶつけるファンが続出しました。

「トップスターだからこそ慎重であるべき」という厳しい意見

その一方で、世界的な影響力を持つ2人だからこそ、作品選びの段階で気づくべきだったという厳しい声も一部で上がっています。
「世界配信される作品だからこそ、海外のファンが間違った歴史を信じたらどうするの」
「ビョン・ウソクは「ソンジェ背負って走れ」でせっかく世界的スターになった大事な時期なのに、作品選びに慎重になってほしかった」
と、今後の海外活動を心配する厳しい声も上がっています。

トップスターのブランド価値を守る必死のリスクマネジメント

今回のハイスピード謝罪の背景には、これ以上炎上が長引いて、2人のブランド価値や今後の広告契約に傷がつくのを防ぎたいという、事務所側の必死のリスクマネジメントもあったはずです。

結果、2人が逃げずに素早く頭を下げたことで世論の怒りは急速に沈静化へと向かいました。
タイムラインを見ていても、ファンの間では「対応が誠実すぎてむしろ好感度が上がった」という意見が圧倒的多数を占めています。

21世紀の大君夫人の歴史歪曲をわかりやすく分析するアトリエ猫のイラスト。 画面には属国描写や冠のひもの数など11話の考証ミスが映る。 主演頼みによる脚本の脆さが批判を加速させたという独自の視聴経験と分析を視覚的に補完する。

アトリエの独り言

個人的には、歴史歪曲議論以前からドラマの評価が低かったことが影響しているとも思います。
もし作品性の評価が高ければ一部の時代劇ファンから批判を浴びる程度で終わったことだったのではないかと感じますね。

それが今作は俳優ファンが楽しめるドラマではあっても、ファンタジーロマンスや時代劇ジャンルのファンが楽しめるかといえば、そうではない評価です。
そこへきて歴史歪曲議論で韓国の視聴者の不満が爆発した格好になったのではないでしょうか?

今回の件は、ドラマ制作陣も公式に謝罪をしています。
該当シーンの音声と字幕は修正されることになりました。

21世紀の大君夫人はつまらない?面白くないと言われる3つの理由を徹底検証

IU・ビョン・ウソク主演の「21世紀の大君夫人」は面白くない?。 高視聴率の裏で「つまらない」という声が上がる理由を徹底分析しました。 名作「宮」とのパクリ疑惑や歴史歪曲への不満など、視聴者が抱く違和感の正体を解明します。 リアルな評価を確認してください。

韓流アトリエ~気になるニュースとドラマ、視聴率や評価を読み解く~
主演頼みの脚本が招いた限界、韓国の絶対的タブー「属国描写」の代償

個人的にはドラマの中での出来事だし、ドラマが面白ければ問題はないかなと思います。
ですが、肝心の作品性は主演の魅力に頼ったような脚本になってしまい、大きな期待に応えることができていません。
結果、歴史歪曲への批判が必要以上に大きくなったのではないかと感じます。

いずれにしても「中国の属国描写」は韓国ではタブーと言えるものでしょう。
日本のファンは気にならないところだとは思いますが、これはまずかったですね。
作品に大きなケチが付く結果となってしまいました。

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