ザ・ロードの評価と視聴率推移!韓国で急落した理由を徹底解剖 - 韓流アトリエ~気になるニュースとドラマ、視聴率や評価を読み解く~
最新の韓国ニュースを独自の視点で。視聴率やドラマへの厳しい声も、忖度なしの言葉で綴ります。

ザ・ロードの評価と視聴率推移!韓国で急落した理由を徹底解剖

ザ・ロードの評価と視聴率推移!韓国で急落した理由を徹底解剖

上流階級の闇と誘拐事件が交差する本格心理サスペンス

2021年に韓国のtvNで放送されたドラマ「ザ・ロード:1の悲劇」です。
主演はチ・ジニ、ユン・セア、キム・ヘウン。
実力派のベテラン俳優たちが顔を揃えた本格心理ミステリー劇です。

日本の人気推理作家である法月綸太郎の小説「一の悲劇」を原案に、舞台を韓国の上流階級社会へと置き換えて制作されました。
豪雨の夜に起きた悲劇的な誘拐事件をきっかけに、沈黙と嘘にまみれた秘密が次々と暴かれていく愛憎サスペンスです。

ザ・ロードの視聴率推移

回次全国視聴率
1回3.365%
2回3.970%(最高)
3回2.735%
4回3.201%
5回1.900%
6回2.115%
7回1.845%
8回2.161%
9回1.733%(最低)
10回2.470%
11回1.957%
12回2.856%

※データ出典:Nielsen Korea基準

初回は3.36%とケーブルテレビのtvNとしては、まずまずの数字でスタートを切りました。
続く2話では3.97%まで数字を伸ばしたのですが、これが自己最高視聴率です。
3話以降は下落傾向が続き、5話では1.9%まで落ち込みました。

中盤から終盤にかけても1~2%台の停滞から抜け出せず、9話で自己最低視聴率1.73%。
最終回12話は2.85%で幕を閉じています。
明らかに数字が下がったのはマイナス要素で、残念な推移となっています。

※数字はニールセンコリア調べ

ザ・ロードはつまらない?韓国でのリアルな評判と評価

今作のジャンルは、ミステリー、スリラー、ピカレスクジャンルです。
韓国で高く評価されたのは、チ・ジニをはじめとする実力派キャスト陣の緊迫感あふれる演技力です。

チ・ジニが見せる「脆く崩れゆく正義」の圧倒的な哀愁

主演のチ・ジニといえば「サバイバー: 60日間の大統領」や「ミスティ」で見せた、重厚で信頼感のあるダンディな佇まいが持ち味です。
今作の序盤でも、国民から絶大な信頼を集める完璧なニュースアンカー、ペク・スヒョンとして登場します。
(ちなみに、ミスティではキム・ナムジュが演じる国民的ニュースアンカーの夫役でした)

しかしドラマが進むにつれ、過去の罪や秘密に追い詰められ、その完璧な仮面がボロボロと剥がれ落ちていきます。
強固に見えた大人の男が、罪悪感と恐怖によって精神的に追い詰められていく過程の表情管理と哀愁は、まさにチ・ジニの真骨頂と言えます。
「崩壊していくチ・ジニ」の芝居を見るだけでも、このドラマを追う価値があると感じられるレベルです。

ユン・セアの「静かな狂気」とキム・ヘウンの「生々しい執着」

女優陣の演技合戦も、作品の緊張感を一段引き上げています。
「SKYキャッスル」では気品と優しさを併せ持つ母親を演じたユン・セアですが、今作では完璧な妻・母を演じながらも、内側に底知れない歪みと哀しみを抱えたキャラクターのソ・ウンスを熱演しています。
感情を爆発させるのではなく、張り付いたような笑みや静かな佇まいから滲み出る狂気が実に不気味です。

対照的に、欲望に忠実で生々しい野心を剥き出しにするニュースアンカー役のキム・ヘウンも見事でした。
上流階級の仮面を被った女性たちの、剥き出しの業や執着が交錯するシーンは、画面越しでも息が詰まるほどの緊迫感を生んでいます。

息抜きのなさすぎる「過剰な閉塞感と陰鬱なトーン」

一方で、韓国の視聴者からは「あまりにも重くて暗すぎる」「見ていて精神的に疲れる」という厳しい声が目立ちました。
1話から最終話まで、画面のトーン、BGM、ストーリー展開に至るまで、徹底的に暗く重苦しい空気が漂っています。
サスペンス作品であっても、合間に刑事コンビの軽妙なやり取りや、日常のちょっとしたユーモアなどを挟んで息抜きを作るのが韓国ドラマの王道パターンです。
ウェブドラマならまだしも、テレビドラマなのだから尚更です。

ところが今作には、そうした「緩急の緩」が一切ありません。
豪雨、薄暗い豪邸、張り詰めた沈黙、精神的な錯乱といった重圧が延々と続くため、仕事終わりや休日にリフレッシュ目的で見ようとすると、確実に気が滅入ってしまいます。
「面白い・面白くない」の前に、「見るのに尋常ならざるエネルギーを消費する」という点が、大衆受けを完全に阻んでしまいました。
この点が視聴率の停滞にも繋がっていると考えられます。

「本格ミステリー」と「刺激過多なマクチャン」の食い合わせの悪さ

原作は日本の法月綸太郎による端正な本格推理小説ですが、韓国ドラマ化にあたって大幅な肉付けが施されています。
上流階級の不正蓄財、政財界の癒着、複雑すぎる不倫関係、婚外子問題といった、いわゆる「韓国流の刺激的な愛憎劇(マクチャン要素)」が過剰にトッピングされました。

その結果、「緻密な心理戦やアリバイトリックを楽しみたい本格ミステリー好き」にとってはドロドロした愛憎劇がノイズになり、「スピーディーでスカッとする愛憎劇を見たい層」にとっては物語が陰気でテンポが遅く感じられるという、どっちつかずのミスマッチが起きています。
原作の核である「誘拐トリックの美しさ」が、過剰な不倫劇と財閥の陰謀に埋もれてしまい、ミステリーとしての輪郭が完全にぼやけてしまいました。

全員が秘密を抱える歪んだキャラクター描写と編成の不運

今作の独自性は、登場人物のほぼ全員が何らかの嘘や罪を抱えているピカレスク(悪人たち)の構造にあります。
誰一人として完全に善良な人間がおらず、全員が怪しく見えて誰にも共感できないという徹底した冷徹さは、ミステリー好きにはたまらない設定です。

感情移入できるキャラクターが誰一人いない「徹底的な共感拒絶」

ドラマに没入する際、普通は誰か一人くらい「この人を応援したい」「無事でいてほしい」と思える拠り所があるものです。
しかし今作は、主要登場人物のほぼ全員が何かしらのドロドロした暗部を抱えているわけです。

国民的アンカーの仮面を被ったペク・スヒョン(チ・ジニ)をはじめ、登場人物のほぼ全員が保身と欲望の塊です。
画面を見ながら「頼むから一人くらいまともな人間であってくれ」と頭を抱えたくなるほど、誰も信用できません。
人間ドラマ特有の温もりや救済措置が一切なく、剥き出しの悪意と欺瞞を1時間ひたすら浴びせられる構成。
途中でリモコンを置いた視聴者が続出したのも納得の重苦しさです。

SKYキャッスルと比較して見える上流階級サスペンスの明暗

同じく上流階級コミュニティの闇と子供を巡る悲劇を描いた大ヒット作として、名作「SKYキャッスル」が挙げられます。
両作ともにユン・セアが出演しており、豪華な豪邸街に暮らすセレブたちの虚飾と欲望を暴くという共通のテーマを持っています。

しかし、二つの作品の間には大きな違いが存在します。
「SKYキャッスル」はお受験戦争という身近な社会問題をブラックコメディや風刺を交えて描き、視聴者がスカッとする場面や人間味のある救いを巧みに配置していました。
一方で「ザ・ロード:1の悲劇」は風刺やユーモアを一切排除し、ひたすら暗澹たる人間の業を突きつけてきます。
エンターテインメントとしての間口の広さを持っていた「SKYキャッスル」に対し、今作はあまりにも純度の高い悲劇に振り切ってしまったため、大衆受けという点では大きな差がつく結果となりました。

韓国ドラマ「ザ・ロード:1の悲劇」の重苦しい豪雨シーンを観て疲弊するアトリエ猫。「観るのに体力持っていかれる…!前半で合わないなら、無理せずストップでOK」とリモコンを手に、過剰な閉塞感に対する視聴の見切り基準を伝える単一コマ漫画。

アトリエの独り言

チ・ジニの真骨頂とも言えるシリアスな演技力や、法月綸太郎の重厚な本格ミステリーを翻案した意欲は十分に感じられる作品です。
しかし、結論から言うと、手放しで誰にでもおすすめできるドラマではありません。

日本での反応を見ていても、キャストのファンや本格的な愛憎サスペンスが好きな人からは評価されているものの、「暗すぎる」「話がわかりにくい」という声が散見されます。

個人的におすすめの基準は韓国での評判を重視するのですが、韓国でも評価がイマイチなのでおすすめはしにくいというのが正直なところ。
暗い雰囲気でも最後にスカッとすれば救いがあるのですが、今作はそうでもありません。
キャストが渋くていい感じなのですが、おすすめはしにくい。
見てみて前半で「合わない」と思えば、早めに視聴を止めるというのも手かもしれませんね。

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