タイの超人気BLを大胆アレンジした韓国版のリアル
2023年に韓国のBL専門プラットフォーム「Heavenly」などで公開されたウェブドラマ「WHY R U?」です。
主演にイ・ジョンミン、イ・イェファン、イ・サンミン、パク・チャンフン。
タイで社会現象を巻き起こした同名の大ヒットBLドラマを、韓国の大学を舞台に大胆にリメイクしたファンタジーロマンスです。
視聴率に代わる実績、主要配信チャートを席巻した熱量
今作はテレビドラマではなく、動画配信プラットフォームを中心に公開されたウェブドラマになります。
そのため、テレビドラマのような視聴率のデータはありません。
しかし、BL専門プラットフォームであるHeavenlyでは、公開と同時に瞬く間にランキング1位を獲得しています。
さらに、WatchaやWavveといった韓国大手の配信サービスでも上位にランクイン。
BLジャンルなので決して大衆性はありませんが、コアなファンの間で熱狂的な足跡を残したドラマですね。
WHY R U?はつまらない?韓国でのリアルな評判と評価
今作はキャンパスライフ、ラブコメ、BLといったジャンルになります。
韓国では何といっても、主演を務めた新人俳優4人の「圧倒的なビジュアルの良さ」に対して絶賛の声が上がっています。
BLジャンルも一般的なロマンスドラマと同じように、並んだときの体格差や見た目のケミも重要になりますが・・・。
韓国版も原作が持つ独特の世界観に負けない美しさを誇っており、画面の華やかさは本家にも引けを取りません。
タイ版の設定を自然に再現、韓国キャンパスへの見事なローカライズ
さらに、タイ版のファンタジー設定を韓国のキャンパスに見事に落とし込んだローカライズの技術も注目ポイントです。
※原作は妹が書いたBL小説の通りに、現実の男たちの恋愛が動き出すというファンタジー
ウェブドラマとしてはクオリティの高いカメラワークや、恋に落ちる瞬間をドラマチックに彩る美しい色感の演出。
BLジャンル特有の胸キュン要素をこれでもかと詰め込んだ仕上がりになっています。
イ・ジソク「 I Believe」
あまりにも短すぎた物語と感情線のハイスピード展開
一方で、「1話あたり約30分で全8話」という尺は短すぎるといった指摘が見られます。
全体のトータル時間が約4時間しかないため、原作の良さだった丁寧な心理描写が削ぎ落とされてしまったという厳しい意見も出ています。
結果として映像はきれいだけど、キャラクターの感情に深く共感する前にストーリーがトントン拍子に進んでしまい置いてけぼりになるという声も。
テンポの良さはプラス要素ですが、弱点にもなってしまいますね。
メインとサブの二兎を追った、短尺ウェブドラマの限界
ちなみに脚本のマイナス要素として、メインカップルだけでなくサブカップルのストーリーも詰め込まれているという点があります。
メインカップルのロマンスに絞って丁寧に描写した方が良いということです。
正直、これは尺の短いウェブドラマが常に抱える「宿命」とも言える弱点。
本作はその罠に、見事にはまってしまった形です。
演技の発展途上感と詰め込みすぎたエピソードの罠
主演キャストが新人やアイドル出身者ということもあり、一部の深刻な感情演技において、ややぎこちなさが残るという酷評が出ています。
特に複雑な関係性を表現するシーンでは、経験不足が少し目立ってしまった印象もありますね・・・。
好評だったビジュアルの良さも、脚本や演技の説得力が追いつかないと「勿体ない」という感覚に変わってしまいます。
そこで制作陣はテンポの良さで勝負したのかもしれませんが、逆にキャラクターの深掘りを消してしまったという声も。
演技経験を補えない急展開、新人キャストと脚本の不協和音
今作の最大の罠は、この「演技がまだ発展途上の新人たち」に対して、「あまりにも説明不足で急展開な脚本」を渡してしまったことです。
演技経験の浅いキャストを起用する場合、脚本側がそのキャラクターの背景や心理変化を丁寧に描写して、レールを敷いてあげる必要があります。
じっくり時間をかけて「なぜ彼が悩んでいるのか」をエピソードで補強すれば、役者がシンプルな演技をしていても、視聴者は感情移入して感動してくれるからです。
しかし今作は、1話30分の全8話という短い枠の中で、メインとサブの「2つのカップル」の恋愛模様を同時に、かつ均等に描こうとしてしまいました。
結果として、どちらのカップルも「ダイジェスト版」を見せられている感覚に陥ります。
ウェブドラマなので、そこは割り切って見るしかないのですが、惜しい要素ではありますね。
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アトリエの独り言
原作ドラマは日本でもU-NEXTなどで視聴することができます。
1話45~60分の全14話ですから、韓国版はいかに短いかというところです。
原作ファンからすれば、物足りない印象になってしまうのは当然です。
ですが、短時間で見ることができるのはメリットも大きいと思います。
いくらか物足りない部分があっても、そこは割り切ることもできます。
万人受けは難しくとも、割り切った鑑賞スタイルに映えるタイパ
正直、目の肥えたK-BLファンのタイムラインやレビューを追いかけても、手放しで絶賛している声は少ないのが現実。
おすすめはしにくいのですが、短いドラマなので、何か1つでも気になるところがあれば見てみるのも良いと思います。
ガッツリ感情移入して大号泣したいなら不向きですが、「今週末、サクッと目の保養になるBLを1本消化したい」「タイ版と韓国版のローカライズの違いを、サクッと答え合わせしたい」という割り切った鑑賞スタイルなら、否定する理由はありません。
気になるキャストが1人でもいるなら、隙間時間のオタ活としてチェックしてみる価値もあるでしょう。