哲仁王后(チョルインワンフ)の評価と視聴率!炎上を越えた評判 - 韓流アトリエ~気になるニュースとドラマ、視聴率や評価を読み解く~
最新の韓国ニュースを独自の視点で。視聴率やドラマへの厳しい声も、忖度なしの言葉で綴ります。

哲仁王后(チョルインワンフ)の評価と視聴率!炎上を越えた評判

哲仁王后(チョルインワンフ)の評価と視聴率!炎上を越えた評判

現代のシェフが王妃に憑依する破天荒タイムスリップコメディ

2020年から2021年にかけてtvNで放送された韓国ドラマ「哲仁王后(チョルインワンフ)」です。
主演にシン・ヘソン、キム・ジョンヒョン。
特別出演として現代のシェフ役をチェ・ジニョクが演じています。

不慮の事故により、現代の大統領府シェフである男性の魂が、朝鮮時代の王妃の体に宿ってしまうことから始まるフュージョン時代劇コメディです。

原作は中国の人気ウェブドラマ「太子妃 狂想曲」ですね。

哲仁王后の視聴率推移

回次全国視聴率
1回8.030%(最低)
2回8.800%
3回9.022%
4回10.447%
5回11.337%
6回11.805%
7回12.414%
8回12.271%
9回12.066%
10回12.836%
11回12.517%
12回13.224%
13回12.797%
14回13.623%
15回14.534%
16回14.946%
17回14.510%
18回14.844%
19回14.227%
20回17.371%(最高)

※データ出典:Nielsen Korea基準

初回から8.03%という高い数字でスタートを切った「哲仁王后」です。
これはtvNの土日ドラマとしては「ミスターサンシャイン(8.9%)」に次ぐ歴代2位の1話視聴率になります。

3話で二桁を突破し、その後も好調な推移を見せました。
最終回20話で自己最高視聴率17.37%を記録し有終の美を飾りました。

※数字はニールセンコリア調べ

原作者の嫌韓炎上をねじ伏せたシン・ヘソンの圧巻演技

放送開始後、原作のもとになった小説の中国人作家が、別の作品で嫌韓表現を使っていたことが話題になりました。
視聴者の強い反発を受けたのですが、視聴率は物ともせず好調な推移を見せましたね。

炎上初期は作品を見ていない層からのバッシングも苛烈でしたが、回を重ねるごとに「歴史歪曲への批判」を「シン・ヘソンの圧倒的なコメディ演技と脚本のテンポの良さ」が凌駕していきました。
批判を作品の力で力づくでねじ伏せた、極めて珍しい現象と言えます。

哲仁王后はつまらない?韓国でのリアルな評判と評価

今作は時代劇、ラブコメ、ファンタジージャンルになります。
韓国で最も絶賛されたのは、主演を務めたシン・ヘソンの圧巻の演技力です。

最初は「女性が男の振りをするギャグ」として冷ややかに見始めても、次第にシン・ヘソンのノリノリな演技に完全に引き込まれます。
特に「女の体を手に入れたからには、ハーレムを作って宮廷の美女たちを愛でてやる」という不純な動機で動き回るシーンのギャップが爆笑を生んでいます。

男同士のブロマンス?キム・ジョンヒョンと育む新感覚のラブライン

さらに、二面性を持つ国王を演じたキム・ジョンヒョンとの掛け合いや、宮廷の侍女たちとのコミカルなやり取りも人気を集めました。
特にキム・ジョンヒョンとは次第に友情のような絆が生まれ、それが奇妙なラブラインへと変化していく過程の心理描写が実に巧みです。
「男同士のブロマンスのようでありながら、しっかり胸キュンもさせる新感覚のロマンス」と表現できます。

歴史歪曲の批判と設定に対する拒絶感

一方で、放送序盤には歴史歪曲をめぐる厳しい批判が相次ぎました。
国宝である「朝鮮王朝実録」を「ただのチラシ(ゴシップ紙)だな」と揶揄するようなセリフや、実在の神貞王后(豊安趙氏)を迷信にハマる人物としてコミカルに描きすぎた点が、韓国内で大バッシングを受け、放送通信審議委員会から大量のクレームが入る事態となりました。

当時はニュースが開くたびに炎上記事が出ており、私もリアルタイムで動向を追っていましたが「これは打ち切りになるのでは」とヒヤヒヤさせられたものでした。

性別の違和感とギャグのノリで賛否がはっきり分かれるポイント

また、男性の魂が女性の体に宿った状態でのロマンス展開に対して、生理的な苦手意識を感じるという意見もありました。
これを「新しい感覚のコミカルなロマンス」と捉えられる人は楽しめますが、「実質的に男同士(あるいは性別の不一致)のやり取りに見えてしまい、生理的に受け付けない」という拒絶反応を示す層も一定数存在しました。

性別を超えたギャグのノリが独特なため、王道のロマンス時代劇を期待している人には好みがはっきりと分かれるドラマです。

中身はオッサンな王妃が見せる爆笑演技とフュージョン時代劇の完成度

今作の最大の魅力は、やはり「王妃の中身が現代の男性シェフである」というギャップにあります。
美しい朝服を着たシン・ヘソンが、股を広げて座ったり、声を荒らげたりする姿は、1話から強烈なインパクトを残しています。
現代用語やスラングを宮廷で連発し、周囲を混乱させる展開は終始テンポが良く楽しめますね。

単なるコメディにとどまらず、宮廷内の権力闘争や陰謀といった時代劇特有のスリリングな展開もしっかり組み込まれています。
また、朝鮮時代には存在しないマクドナルド風のバーガーやソーダ、ラーメンなどを当時の道具で再現してみせるシーンは、見ていて純粋にワクワクさせられる人気シーン。

全20話は長すぎる?フォーマットの慣れが生む「中だるみ」の指摘

とはいえ、20部作(韓国基準)というミニシリーズとしては比較的長いドラマ。
「料理でピンチを脱出する」「王妃の奇行に周りが振り回される」というフォーマットに慣れてくると、中だるみを感じてしまうという意見もあります。
一般的なミニシリーズと同様、16部作にまとめていれば、より勢いのあるドラマになった可能性があります。

シュルプと比較して見える王妃像と時代劇の新しい形

宮廷を舞台に王妃が活躍する時代劇として比較されるのが、キム・ヘス主演の「シュルプ」です。
「シュルプ」が子供たちを守るために奮闘する母性愛や、厳格な教育戦争を描いた重厚なヒューマンドラマだったのに対し、今作は型破りな笑いと爽快感を提供するエンターテインメントに特化しています。

どちらも従来の控えめな王妃像を覆す強いヒロインを描いていますが、「シュルプ」が伝統的な時代劇の枠組みの中で圧倒的な威厳を示したのに対し、「哲仁王后」は現代的な感性を持ち込んで宮廷をかき乱す面白さがあります。
重厚で緊張感のあるドラマを求めるなら「シュルプ」、頭を空っぽにして笑いたいなら今作といった形で、好みが分かれるところですね。

【韓流アトリエ分析】哲仁王后の原作者問題や歴史歪曲批判の炎上史と、シン・ヘソンの圧巻の演技力により最高視聴率17.3%まで巻き返した異例のヒット劇を分析解説するアトリエ猫(筆者JUNの分身)イラスト

アトリエの独り言

ドラマ序盤に起きた炎上騒動を、作品の圧倒的な面白さで押し切った珍しいドラマです。
当時は中国資本によるドラマ介入が、韓国内で極端に嫌悪されていた時期です。
同時期には中国資本による歴史歪曲で、SBSドラマ「朝鮮駆魔師」が、わずか2話で打ち切りになりました。

哲仁王后も「中国原作」「嫌韓作家」「歴史描写の不配慮」という炎上のトリプルパンチを受けました。
それを跳ね返して最高視聴率17.3%まで上り詰めたのは、韓国ドラマ史で見ても異例中の異例です。

日本で高評価なのはなぜ?視聴をおすすめしたい人と注意点

おそらく日本の視聴者は、中国資本による歴史歪曲に、さほど嫌悪を感じないのではないでしょうか?
本格的な時代劇ならともかく、今作はコメディ系の仮想時代劇なので、その傾向も強いはず。
実際に日本の評判をリサーチしても、非常に評判の良いドラマです。

難しい歴史の知識がなくても楽しめるコメディ要素の強さが、日本の韓ドラファンにも受け入れられています。
韓国では「シン・ヘソンのワンマンショー」と言われるほど、シン・ヘソンのインパクトが強いドラマなので、シン・ヘソンが苦手なら見るのを避けるべきです。
そうではなく、重い時代劇が苦手な人や、スカッと笑えるドラマを探している人にはおすすめできるドラマですね。

この記事をシェアする

記事一覧へ戻る

関連記事 Relation Entry