突然の共同育児から始まる不器用なふたりの同居ロマンス
2026年に韓国tvNで放送されたドラマ「宇宙をあげる」です。
主演はペ・イニョクとノ・ジョンウィ、そして除隊後の復帰作として注目を集めたパク・ソハム。
ですが、本作の真の主役を挙げるなら、間違いなく生後20ヶ月の甥っ子ウジュを演じた子役パク・ユホです。
不慮の事故により、残された生後20ヶ月の甥っ子ウジュを育てることになった男女を描くドタバタ育児ラブコメディです。
ふたりの関係は友人でも恋人でもなく、義理の親族である「サドン」という距離感。
他人以上・家族未満のふたりが、手探りの育児を通じて心を通わせていくハートフルな物語ですね。
宇宙をあげるの視聴率推移
| 回次 | 全国視聴率 |
|---|---|
| 1回 | 1.9% |
| 2回 | 1.3%(最低) |
| 3回 | 1.8% |
| 4回 | 1.5% |
| 5回 | 1.3%(最低) |
| 6回 | 1.4% |
| 7回 | 1.9% |
| 8回 | 1.4% |
| 9回 | 1.8% |
| 10回 | 1.6% |
| 11回 | 1.7% |
| 12回 | 2.0%(最高) |
※データ出典:Nielsen Korea基準
初回は1.9%という静かな滑り出しとなった「宇宙をあげる」です。
平日の22時40分スタートという、遅い時間帯の編成ということもあり、1%台の推移で苦戦が続きました。
中盤以降も大きな数字の跳ね上がりは見られず、5話で自己最低視聴率1.3%を記録。
最終回12話で自己最高となる2.0%を記録しましたが、有終の美とは言えない低視聴率です。
遅い放送枠に加え、ターゲット層がテレビの前にいない若年層に偏っていた影響が大きいと見ています
一方で、TVINGや日本のU-NEXTといった動画配信サービスでは連日ランキング上位を維持しており、現代の「配信特化型ドラマ」の典型的な推移を見せました。
※数字はニールセンコリア調べ
宇宙をあげるはつまらない?韓国でのリアルな評判と評価
今作はラブコメ、家族、ヒューマン、成長ジャンルです。
今作を語るうえで外せない最大の強みは、劇中の空気を一瞬で和ませる甥っ子ウジュの存在感です。
「ウジュを見ているだけで癒やされる」という声が最も多いです。
何気ない日常描写の温かさと子役の圧倒的な存在感
多くのドラマで見られるような「脚本通りに作られたお利口な子供」ではなく、泣いたり笑ったり、予測不能に動き回る等身大の赤ちゃんの姿がそのまま映像に収められています。
大人が思い通りにいかずオロオロする様子や、ふとした瞬間の屈託のない笑顔に救われる瞬間など、育児のリアルな手触りがしっかりと描かれています。
日々の慌ただしさの中でふと訪れる静かで温かい時間が丁寧に切り取られており、観ている側も一緒に見守っているような穏やかな追体験ができますね。
他人以上・家族未満という「サドン」ならではの絶妙な距離感
主人公2人の関係性が、単なる同居人や友人ではなく、義理の親族(サドン)という設定もドラマに心地よい緊張感と新鮮さをもたらしています。
完全に心を許し合っているわけではないけれど、赤の他人として突き放すこともできない、独特の気まずさと遠慮が序盤の空気感をとても魅力的なものにしています。
互いに未熟で手探りな中、小さな命を守るという共通の目的を通じて、少しずつ「協力者」から「かけがえのない存在」へと変化していくグラデーションが自然です。
劇的な大事件で一気に縮まるのではなく、日々の食事の用意や夜泣きの対応といった生活の共同作業を通じて信頼が積み重なっていく過程は、派手さこそ控えめですが非常に心地よい説得力があります。
主軸ふたりの関係進展におけるもどかしさと配分バランス
一方で、ドラマが佳境に入る後半に向けては、脚本の展開に対してやや辛口な反応も見られました。
最も多くの視聴者が惜しいと感じたのは、中盤から後半にかけてのストーリーの焦点のブレです。
本来であれば、主演ふたりが育児や同居生活を通じてどのように絆を深めていくのかという心の機微をじっくり見届けたいところでした。
しかし、周囲の人物を交えたエピソードや職場側の描写に多くの尺が割かれ、肝心のふたりの関係性がなかなか前に進まない停滞感が続いてしまいます。
「メインの掛け合いをもっと見たいのに、別の話ばかりが進んでしまう」という視聴時のもどかしさは、ラブコメディとしての推進力を確実に鈍らせていました。
全12話の構成と終盤の展開における詰め込み感
全12話という比較的コンパクトな構成の中で、終盤に起きた出来事の配分にも賛否が分かれました。
2人の気持ちがようやく通じ合った後、本来なら「新しく築かれた家族の温かな日常」を丁寧に描写して着地させてほしい時間帯に、外的なアクシデントやトラブルが立て続けに差し込まれます。
その結果、問題の解決に追われてしまい、登場人物たちが心の整理をつけたり、穏やかな余韻を味わったりする時間が削られてしまいました。
「もっと日常の温もりの中で静かに着地させてほしかった」と感じる視聴者にとっては、最後の数話がやや慌ただしく映ってしまう構成になっています。
私の恋したテリウスと比較して見える育児ドラマの温度差
育児と大人の不器用な関係性を描いた作品として思い浮かぶのが、ソ・ジソブ主演の「私の恋したテリウス」です。
「私の恋したテリウス」は、シリアスな元スパイが子育ての日常に巻き込まれるギャップや、サスペンス要素とコミカルな育児の掛け合わせが爽快なエンタメ作品でした。
それに対して「宇宙をあげる」は、大がかりな事件ではなく、等身大の若者たちが直面するリアルな生活感や不器用さに焦点を当てています。
スパイアクションのようなダイナミックな爽快感を求めるなら「私の恋したテリウス」ですが、より日常に寄り添ったほのぼのとした空気や、主演たちの等身大の成長を感じたいなら今作がしっくりくるはずです。
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アトリエの独り言
視聴率を見ると寂しい結果でしたが、動画配信サービスでの反響が非常に高かった現代的なドラマです。
個人的に思うのは、子役の存在感をどう捉えるかが、今作を楽しめるかどうかの決定的な分かれ道です。
ドラマの軸が育児と同居生活に置かれている以上、子役の愛らしさや無邪気な仕草に自然と口元が緩むタイプでないと楽しめないでしょう。
子役の存在感をどう捉えるかがすべての分かれ道
実際に日本の視聴者の口コミを見ても、ウジュのかわいさに対する声が目立ちます。
逆にそれ以外は「普通のラブコメ」という意見もあるし、子供がかわいいと思えない人は最初から見ないドラマだと推測できます。
「子役が良いドラマは満足度が高まる」というのは、私の持論の1つです。
ですが、正直に言えば「子供が好きではない」という人もいるでしょうし、そういう人にとっては見ない方がいいドラマになります。
良くも悪くもウジュが目立つドラマなので、ウジュをかわいいと思えることが視聴の大前提になりますね。
