朝鮮初の女性陶工を描いた波乱万丈の歴史ロマンス
2013年にMBCで放送された韓国ドラマ「火の女神ジョンイ」です。
主演にムン・グニョン、イ・サンユン、キム・ボム、パク・コニョン。
朝鮮時代初の女性沙器匠(陶工)となった実在の人物をモチーフに、困難を乗り越えて成長する姿と切ない恋を描いた時代劇です。
「国民の妹」として圧倒的人気を誇ったムン・グニョンが「風の絵師」以来の時代劇復帰を果たすとあって、放送前から韓国でもかなり期待値が高かったドラマ。
ですが、実際の評価はなかなかシビアな結果となりました。
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— Korepoコレポ (@Kkorepo) January 22, 2015
火の女神ジョンイの視聴率推移
| 回次 | 全国視聴率 |
|---|---|
| 1回 | 10.7% |
| 2回 | 11.4% |
| 3回 | 10.3% |
| 4回 | 12.0%(最高) |
| 5回 | 10.6% |
| 6回 | 11.8% |
| 7回 | 11.7% |
| 8回 | 11.8% |
| 9回 | 10.4% |
| 10回 | 11.0% |
| 11回 | 10.0% |
| 12回 | 11.6% |
| 13回 | 9.1% |
| 14回 | 9.6% |
| 15回 | 7.8% |
| 16回 | 8.6% |
| 17回 | 8.6% |
| 18回 | 9.1% |
| 19回 | 8.4% |
| 20回 | 9.1% |
| 21回 | 8.4% |
| 22回 | 7.9% |
| 23回 | 7.5% |
| 24回 | 7.2% |
| 25回 | 6.0%(最低) |
| 26回 | 7.6% |
| 27回 | 7.4% |
| 28回 | 7.2% |
| 29回 | 9.0% |
| 30回 | 8.0% |
| 31回 | 9.3% |
| 32回 | 9.6% |
※データ出典:Nielsen Korea基準
初回は10.7%という順調なスタートを切った「火の女神ジョンイ」です。
前作「九家の書」が最終回で19.5%を記録しているので、その恩恵もありましたね。
しかし4話の12.0%が自己最高視聴率となりました。
前半は二桁視聴率でしたが、それも12話を最後に一桁推移。
25話で自己最低視聴率6.0%、最終回32話は9.6%となっています。
終盤はやや反発を見せましたが、それでも9%台。
「グッドドクター」や「黄金の帝国」という強い競合の存在があった不運はあります。
それでもどちらかといえば、ストーリーの迷走による低迷の印象が強いですね。
※数字はニールセンコリア調べ
火の女神ジョンイはつまらない?韓国でのリアルな評判と評価
今作は時代劇、ロマンスジャンルになります。
韓国では、これまで時代劇であまり扱われてこなかった「女性陶工」という珍しい素材に期待が集まりました。
そして、子役時代の完成度が高く、序盤の引き込みは強かったドラマになります。
ムン・グニョンの子役はペントハウスのユ・ジェニでお馴染みチン・ジヒが担当。
スタートダッシュには成功したドラマと言えるのですが・・・。
作品全体の完成度と評価の限界
ドラマ全体を見渡したとき、まず浮き彫りになったのが作品自体の完成度の低さです。
特に韓国で強く批判されたのが時代考証の破綻でした。
どの時代劇ドラマも、程度の差はあれば考証エラーが指摘されるものです。
ですが、今作は実在の歴史や設定からかけ離れた展開、服飾や陶磁器制作における不自然な描写が目立ち、時代劇ファンからの評価を大きく落としてしまいます。
あまりにあっけない結末が残した消化不良感
そして作品の評価の低さを決定づけてしまったのが、最終回のあまりにあっけない締めくくりです。
余韻のなさに対し、視聴者の間では「あまりに救いがない」「消化不良すぎる」という不満が噴出することになりました。
そもそも中盤以降は同じような対立構造や人間関係のすれ違いでストーリーが低迷。
脚本のテンポの悪さに加え、スカッとする展開もないため中だるみが指摘されています。
【インタビュー】「火の女神ジョンイ」ムン・グニョン“この世で最も勝つのが難しい相手は自分自身…自らに勝てる人になりたい” http://t.co/W2y1DSPvKD pic.twitter.com/4DrDneghY7
— Kstyle (@Kstyle_news) January 19, 2015
応援したくなるはずのヒロインがいつの間にか「迷惑キャラ」に
ドラマの低評価と最終回の消化不良感を加速させてしまった最大の要因が、ヒロインであるジョンイの描き方です。
本来なら応援したくなる強いヒロインであるべきでした。
しかし作中では、ヒロインのジョンイがトラブルを引き起こし、それを周りの男性陣が庇うというパターンが何度も繰り返されるため、見ている側は徐々に疲弊してしまいます。
「応援したい健気なヒロイン」から「周りに迷惑をかけ続けるヒロイン」へと印象が変化してしまい、回を追うごとに視聴者の共感が離れていく原因になっています。
赤い袖先の視聴率と韓国の評価を分析!ジュノ絶賛も好みが分かれる理由
韓国ドラマ「赤い袖先」の視聴率推移とリアルな評価を徹底分析。 最高視聴率17.4%を記録した名作ですが、史実ベースの重い展開やヒロインの態度に「もどかしくてつまらない」と感じる声も。 過去作「イ・サン」との比較から本作の価値を紐解きます。 続きは本編へ。
韓流アトリエ~気になるニュースとドラマ、視聴率や評価を読み解く~職人の「成長劇」になりきれなかったストーリーの歪み
また、根本的にストーリーの軸が歪んでしまった点も指摘されています。
陶工として技術を磨き、苦難を乗り越えて大成していく爽快な「成長劇」こそが、このドラマの本来の魅力になるはずでした。
しかし実際には、職人としての努力や葛藤よりも、宮中のドロドロとした陰謀やトラブルの処理ばかりに時間が割かれてしまいました。
ヒロインのトラブルメーカーぶりばかりが目立ってしまい、成長の快感よりも「また問題が起きたのか」というモヤモヤ感が最後まで残ってしまったのが、このドラマ最大の歪みと言えます。
「赤い袖先」と比較して見えるヒロインへのモヤモヤ感と余韻の違い
王族との切ない恋を描いた時代劇として比較されるのが、ジュノ主演の「赤い袖先」です。
実は「赤い袖先」でも、王の求愛を拒み続け自分の生き方を貫こうとするヒロイン(イ・セヨン)に対し、一部から「なぜ素直になれないのか」「もどかしくてイライラする」という批判的な声が上がった共通点があります。
ただ「赤い袖先」は、彼女が自分の生き方を貫く苦悩を丁寧に描いたからこそ、最後は切ない名作として語り継がれています。
一方でジョンイの場合、信念というより軽率な行動でトラブルを起こし、周りを巻き込んでしまう。
この「葛藤に納得できるかどうか」の差が、作品の明暗を分けたと感じます。
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アトリエの独り言
時代劇に限った話ではありませんが、ヒロインをどれだけ応援したくなるかという点は、視聴者が最後まで付き合えるかを決める決定打になります。
今作はその大切な要素を逃してしまったのがもったいないですね。
FilmarksやXで日本での評判を調べてみると、可もなく不可もなくといった印象です。
もう10年以上前のドラマなので、いまから見るならキム・ボムらキャスト目当ての人が多いと思います。
時代劇としてのリアリティや、成長ストーリーを期待すると、ガッカリしてしまうリスクの高いドラマです。
ですが、キャスト目当てで見るのであれば、やめた方がいいと断言できるほどの理由はありません。
韓国では期待値の高さもあり低評価ですが、日本では普通の時代劇ドラマと言った評判ですね。




