悲劇のヒロインか、脚本の犠牲者か
韓国ドラマ「ペントハウス」において、すべての始まりとなったのがミン・ソラという少女の死でした。
チョ・スミンが演じたこのソラは、愛らしいビジュアルと悲劇的な運命で視聴者の心を掴みました。
一方で、いろいろと矛盾を感じてしまうところもあるキャラクターです。
※ネタバレ表現あり
ドラマの起点となった最大の被害者
ミン・ソラは、シーズン1の序盤で命を落としてしまうものの、その死と復讐がドラマ(シーズン1)のメインテーマとなる非常に比重の大きな役どころです。
孤児として育ち、アメリカへ養子に出されながらも利用されるだけ利用されて(骨髄移植が目的だった)追い出されるという、壮絶な過去を背負っています。
韓国に戻ってからもヘラパレスの住人や子供たちから凄惨ないじめを受け、最終的には殺害されるという結末は視聴者に強い衝撃を与えました。
特に子供たちから受けるいじめシーンは、かなり過激なので問題になりましたね。
ルックスの可愛らしさとチョ・スミンの確かな演技力も相まって、彼女への同情の声は絶えません。
身分詐称と善悪の境界線
一方で、ミン・ソラは自らも「詐欺」という手段を選んだキャラクターでもあります。
アメリカ留学生になりすましてヘラパレスの子供たちの家庭教師を務めていた事実は、住民から見れば立派な加害者という側面を持ちます。
しかし、その目的が病気である愛犬ソルタンの治療費を稼ぐためだったという理由です。
そもそも他のキャラが常軌を逸した悪人ばかりであるため、多くの視聴者がソラを加害者とは見ていません。
教師としても有能で、実際に子供たちの成績を短期間で向上させていた点も、彼女への評価を底上げしています。
「秀才」の肩書きと矛盾する、あまりに無謀な私生活の謎
とはいえ、自分が教えている子供たちと同じ高校に志願するのは、あまりにも不自然です。
そんなことでは、すぐに身分詐称がバレてしまいます。
それに高額な学費はどうするつもりなのかも不明だし、アパート家賃もどうしていたのか疑問。
学生が住む安アパートという設定でしょうが、それにしても結構広いですから、もっと安いアパートはあったでしょう。
ペット可で探した結果なのかもしれませんが、そもそもなんで犬を飼っていたのか・・・。
ソルタンは野良犬だったわけでもなさそうだし、購入することはないだろうし、疑問は尽きません。
天才少女ミン・ソラの「賢明さと詰めのアマさ」
彼女は作中の子供たちの中で最も頭が切れ、声楽の実力もペ・ロナを凌ぐほどでした。
その知能の高さは、追い詰められた際にも相手の急所を突く「正論」をぶつける武器となります。
しかし、その鋭すぎる口調が相手を激昂させ、結果的に自分をより危険な状況に追い込んでしまったという指摘も少なくありません。
「天才少女」の看板が泣く?獣医の詐欺に沈黙した知能の死角
そして、その優秀な頭脳に関しても矛盾点が指摘されます。
なぜ高額な治療費を請求する獣医の詐欺を見抜くことができなかったのか。
あっさりと高額な治療費を払ってしまい、追加で請求されても疑わない。
兄のローガン・リーにこの話をすれば、すぐに詐欺を見抜くことができたはず。
兄を頼りたくなかったのかもしれませんが、ネットで調べることもできる時代ですし・・・。
優秀な人物なのに、ドラマの都合に合わせたようにも感じてしまいます。
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アトリエの独り言
ソラと言えば、声楽の実力も作中屈指であることも明らかになりました。
それまで声楽の描写が一切ないので、ここまでくると「後付け設定」の香りがプンプンします。
頭脳が優秀なだけでなく、メンタルも非常に強い。
チュ・ダンテとチョン・ソジンに拷問されたあと、ウンビョルを説得し逃亡。
そんな状況でヘラパレスから逃げ出す前に、スマホを取りに行くという行動を見せています。
死の危険を感じていたのに、この点も不自然と言えば不自然。
「まずは逃げろ」とツッコみたくなりますね。
運命を分けた「母娘再会」のタイミング
いずれにしても、もう少し早くシム・スリョンに会うことができれば、死ぬことはなかったわけです。
そうなればペントハウスで一緒に暮らすことになったでしょう。
ただし、その場合はソッキョンの愛情欠乏症が加速して、さらに荒れてしまい、チュ・ダンテと組んでソラを消そうとしたかもしれませんね・・・。


