すべてを奪われた男が財閥家の末息子として生まれ変わるリベンジサスペンス
2022年にJTBCで放送された韓国ドラマ「財閥家の末息子〜Reborn Rich〜」です。
主演にソン・ジュンギ、イ・ソンミン、シン・ヒョンビン。
財閥一族の裏始末を担う忠実な秘書が殺され、その財閥家の末息子として過去に生まれ変わるというファンタジー要素を取り入れた復讐劇です。
韓国の実際の歴史を巧妙に織り交ぜたスピーディーな展開の脚本が話題を呼びました。
※ネタバレ表現あり
財閥家の末息子の視聴率推移
| 回次 | 全国視聴率 |
|---|---|
| 1回 | 6.058%(最低) |
| 2回 | 8.845% |
| 3回 | 10.826% |
| 4回 | 11.800% |
| 5回 | 14.758% |
| 6回 | 14.880% |
| 7回 | 16.102% |
| 8回 | 19.449% |
| 9回 | 16.995% |
| 10回 | 18.337% |
| 11回 | 21.137% |
| 12回 | 19.817% |
| 13回 | 22.456% |
| 14回 | 24.936% |
| 15回 | 25.032% |
| 16回 | 26.948%(最高) |
※データ出典:Nielsen Korea基準
初回は6.05%というJTBCとしては高めのスタートだった「財閥家の末息子」です。
1話が自己最低視聴率、3話で二桁突破、7話で15%を突破、11話で20%を突破。
驚異的な伸びを見せました。
最終回16話では自己最高視聴率26.9%というかなり高い数字を記録。
これは当時、非地上波のドラマとしては「夫婦の世界」の28.4%に次ぐ歴代2位の高視聴率。
視聴率興行は文句の付け所がありません。
しかし、これだけの高視聴率を記録しながらも、最終回の展開を巡って激しい論争が巻き起こりました。
※数字はニールセンコリア調べ
財閥家の末息子はつまらない?韓国でのリアルな評判と評価
今作はファンタジー、復讐、サスペンス、ヒューマンドラマなどのジャンルです。
韓国では何といってもスニャングループのチン・ヤンチョル会長を演じたイ・ソンミンの圧倒的な存在感に対して絶賛の声が上がっています。
誰もが恐れる絶対的な権力者でありながら、泥臭いカリスマ性と冷徹さ、そして後半に見せる人間としての脆さまでを完璧に表現した姿は、まさに圧巻の一言です。
また、50代のイ・ソンミンが違和感のない老け顔メイクを見せているのも没入度を高めるポイント。
息子役のキャストと同世代なのにまったく違和感がありません。(チン・ヤンチョルの奥さんも50代の女優キム・ヒョンが老け顔メイクで演じており、こちらのクオリティの方が衝撃的)
時代背景を味方につけたソン・ジュンギの繊細な二役演じ分け
主演のソン・ジュンギも、過酷な運命を背負った秘書と、未来の記憶を持ったまま知略を巡らせる若き財閥の御曹司という、2つのキャラクターを非常に繊細に演じ分けていましたね。
実在の韓国の近現代史や、有名財閥をモチーフにしたエピソードが満載なのも、現地で熱狂的なファンを生んだポイントです。
先が読めない頭脳戦と、圧倒的な財力で敵を追い詰めていく瞬間の爽快感が人気のドラマですね。
歴史改変の爽快感を一瞬で吹き飛ばした最終回の罠
一方で、財閥家の末息子といえば、何と言っても「最終回の結末があまりにも納得いかない」といった厳しい指摘が多く見られます。
中盤までの完璧な復讐劇が面白かっただけに、終盤の展開に対して、韓国の視聴者からは「つまらない」「今までの時間は何だったのか」という猛反発が出てしまいました。
実は今作は、大人気ウェブ小説が原作となっています。
原作では主人公が復讐を果たしてそのままスカッと終わるのですが、ドラマ版では全く異なるオリジナルの結末へと改変されてしまいました。
これが、本格的なリベンジサスペンスを期待していた視聴者にとっては、非常に物足りなさが残る点として挙げられています。
また、ドラマのMVPと言えるイ・ソンミン演じるチン・ヤンチョル会長が終盤に出番を失うことになってしまいます。
このことも終盤の失速を招いたポイントになっていますね。
緊迫した頭脳戦に水を差してしまった不要なラブライン
視聴者の不満は結末だけでなく、ドラマの途中から描かれたロマンス要素にも向けられていました。
ソン・ジュンギとシン・ヒョンビンの関係性が、復讐劇としてのピリピリとした緊張感を削いでしまったという酷評が出ています。
テーマである「財閥への復讐と頭脳戦」がとにかく面白かったからこそ、関係のないロマンスが入ってしまったことでストーリーのテンポが悪くなった。
財閥家の末息子ソミニョンが不評な理由!ラブラインが蛇足な原因を解説
財閥家の末息子のヒロイン、ソ・ミニョンが不評だった原因を徹底分析します。 原作からの無理な格上げや説明不足のラブライン、最終回のヒョンウとの接近に潜む違和感を韓流ブロガーがロジカルに解説。 視聴時のモヤモヤの理由を今すぐチェック。
韓流アトリエ~気になるニュースとドラマ、視聴率や評価を読み解く~助演からメインヒロインへの無理な改変が招いたキャラクターの魅力不足
財閥家の末息子は私も見たドラマですが、このロマンスはとにかく蛇足だった。
そもそもイ・ソンミンの存在感が強すぎて、ソン・ジュンギとシン・ヒョンビンはキャラクター的な魅力が薄く感じました。
特にシン・ヒョンビンが演じるソ・ミニョン検事は原作では助演キャラの1人とのことで。
それをメインヒロインとしたものの、結局は比重が少ないし、無理やりロマンス要員にした印象にもなって魅力が伝わりにくかったです。
夢から覚めた復讐劇とヴィンチェンツォが選んだ本物の悪党の道
同じソン・ジュンギ主演の復讐劇として思い出されるのが、大ヒットドラマ「ヴィンチェンツォ」です。
「財閥家の末息子」が過去に戻って歴史を変えながら運命に抗う戦いだったのに対し、「ヴィンチェンツォ」は悪をもって悪を制するマフィアの容赦ない戦いを描いています。
どちらも圧倒的な知略で敵を破滅させていく爽快感は共通していますが、決定的に違うのはラストの決着の付け方です。
「ヴィンチェンツォ」が最後までブレずにダークヒーローとしての爽快なカタルシスを突き通したのに対し、今作は最後にファンタジーから現実へと引き戻されるような、いわゆる夢オチに近い構造の着地を選んでしまいました。
「財閥家の末息子」、に対して、ドラマの最後まで一貫したエンターテインメント性を求めていた視聴者からは、「ヴィンチェンツォ」のような突き抜けた爽快感を期待して裏切られたという声が多く上がっています。
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アトリエの独り言
とにかく結末の評判が悪いドラマになりますが、それは逆に言うと、それまで面白かった反動ということです。
僕は結末が酷評されていることはもちろん、どのような理由で酷評されたのかネタバレを知ったうえで視聴しました。
そのこともあって、最終回の不満はさほどなく「これは酷評されるな」と、ある意味で冷静に、ストレスなく見ることができました。
日本のレビューに潜むファンバイアスと作品クオリティ評価のノイズ
日本での口コミを調べてもイ・ソンミン絶賛、最終回イマイチが韓国での評価と一致する一方で、ロマンスの不満はさほど目立ちません。
それよりも良くも悪くもソン・ジュンギファンが評価の底上げをしている印象です。
俳優の人気だけで作品全体の評価が底上げされる現象には、どうしても違和感を拭えません。
個人的にソン・ジュンギのキャラに魅力を感じなかったこともあり、ルックスで評価を上げられても困惑しちゃいますね。
ソン・ジュンギのスター性に引っ張られすぎて、作品そのもののクオリティを測る物差しとしては、少しノイズが多いと感じていました。
財閥家の末息子のラブラインが面白くない理由!原作との決定的な違い
「財閥家の末息子」のドジュンとソ・ミニョンのラブラインが面白くない、不自然だと感じた理由を徹底分析。徹底した復讐劇にロマンスを無理やりねじ込んだ結果生じた、原作との決定的な違いと心理描写の空白を紐解きます。
韓流アトリエ~気になるニュースとドラマ、視聴率や評価を読み解く~期待値をコントロールすれば最後まで一気に駆け抜ける面白さ
だから日本の口コミは当てにならないので、韓国の評判を調べています。
財閥家の末息子に関してはとにかく結末が酷評されていますが、それも「韓ドラあるある」の1つ。
最終回がイマイチな竜頭蛇尾作品であることを頭に入れて視聴すれば、さほど不満にはならないのではないでしょうか?
韓国でも大ヒットしたドラマですし、気になるなら見てみると良いドラマでしょうね。





